ニュース 社会 作成日:2019年3月20日_記事番号:T00082564
海に囲まれている台湾では釣りを楽しむ人も多く、少なくとも100万人の釣り愛好家がいる。漁港は台湾全土に222カ所も存在するものの、一般人に釣りが開放されているのはわずか18カ所にすぎず、釣りファンの間で「港は漁師だけのものではない」と、全面的な開放を求める運動が巻き起こっている。
農委会漁業署は、釣りを開放している漁港18カ所でも、漁業活動の邪魔をしたり、環境を汚染したりしないことが大前提だと指摘した(中央社)
釣り愛好家の俞沢宇さんは今年1月末、一般市民から公共政策に関するアイデアを募る国家発展委員会(国発会)のインターネットプラットフォーム「公共政策網路参与平台」に、「漁港法を改正し、漁港での釣りの全面開放、釣り施設建設を求める」と提案した。
俞さんは、「漁港法には『監督機関は市民の釣りに漁港を開放すべき』とあるが、多くの機関が漁会(漁協)の反発を恐れて実現しておらず、法改正を求めた」と説明した。
同プラットフォームに寄せられた提案は、60日以内に賛同者が5,000人を超えれば、該当する所轄機関が専門家の意見などを基に評価し、提案者と協議した上で具体的な回答を行う。俞さんの提案は1カ月足らずで賛同者が5,000人を突破。行政院農業委員会(農委会)が、4月3日までに関連各所と協議を行い、提案の実現可能性を検討し、4月26日までに正式な回答を行う。
ただ、漁会関係者は、俞さんの提案に対し「絶対に開放は認められない」と猛反発している。漁港にごみを放置したり、くいを打ち込むといったマナーの悪い釣り客によって漁業活動に影響が及ぶことを恐れており、「生計を立てるための漁業と、レジャーの釣りで争うのか」と疑問を呈した。
宜蘭県の漁港では、漁船が港に出入りする際、釣り具が邪魔となったり、釣り糸がスクリューに絡みついたりする事例があった。新北市では、漁港周辺に止められた釣り客の車が邪魔となって給水車が通れず、水揚げされた魚介類が死んでしまったこともあるという。
批判に対し俞さんは、マナーを守る大部分の釣り愛好家たちもうんざりしていると語り、共通ルールの制定や開放エリアの限定、清掃費の徴収なども含めて協議していきたいとの考えを示した。
行政院の唐鳳(オードリー・タン)政務委員は15日、一般に釣りが開放されている基隆市の八斗子漁港を視察し、フェイスブック(FB)で「釣り愛好家の要望と、漁業活動、地方政府の管理能力を考慮し、妥協点を探りたい」とコメントした。
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