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記事番号:T00082648
2019年3月26日15:31

 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は3月下旬より受注が徐々に回復している。昨年下半期より続いていたアンドロイドOS(基本ソフト)搭載スマートフォンの在庫調整が終わりに近づき、新機種向けチップ調達が始まったためで、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の自社チップ採用拡大や、アップルの次世代プロセッサー「A13」生産も貢献し、TSMCは下半期の業績に大きな期待が持てそうだ。26日付工商時報が報じた。

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 設備業者によると、TSMCは第2四半期にウエハー投入枚数が前期比10%以上増え、8インチウエハー工場はフル稼働、12インチ工場は7ナノメートル製造プロセスと12ナノプロセスの他、EUV(極端紫外線)リソグラフィー技術を使用する7ナノプラスでの量産も加わり、稼働率が前期を上回る見通しだ。ファーウェイ向けや、クアルコム、聯発科技(メディアテック)などのアンドロイドスマホ新機種向けチップの生産や、インテルのCPU(中央演算処理装置)供給回復による、サーバーやデスクトップパソコン、ノートPCなどのチップ需要増加が理由だ。

 今年の頂点は第3四半期で、アップル「A13」の7ナノプロセスでの生産の他、ファーウェイのスマホ出荷注力や自社製チップ採用拡大で、TSMCのスマホ関連チップ生産が急激に増える見通しだ。▽クアルコム▽メディアテック▽ザイリンクス▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)▽エヌビディア──など大口顧客向けの12ナノプロセスや先進プロセスでの生産もピークを迎える。設備業者は、TSMCは第3四半期連結売上高が大幅に成長すると予測した。

 TSMCの第1四半期ウエハー投入枚数が低調だったのは、アップルのiPhone向け部品需要の減少や、TSMCの化学材料品質不良によるウエハー廃棄問題で一部出荷が第2四半期に先送りになったことが要因だ。

 TSMCの劉徳音(マーク・リュウ)董事長は先週、世界経済の減速や米中貿易戦争など不確定要素が多いが、半導体市場は第2四半期に好転し、景気は急速に回復するとの予測を示していた。主に第5世代移動通信(5G)やAI(人工知能)技術など応用先拡大が理由と説明した。

8インチ生産、15%増も

 5G、AI、高性能計算(ハイパフォーマンスコンピューティング、HPC)、車載用など半導体の応用先が拡大する中、ファウンドリー8インチ工場の第2四半期ウエハー投入枚数は、前期比10~15%増えると見込まれている。

 MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)の需要増加で、IDM(垂直統合型の半導体メーカー)が外部への生産委託を拡大していることや、4K8Kテレビやローエンドのアンドロイドスマホ向けにディスプレイドライバIC需要が高まっていること、4K8KテレビやPC出荷回復でパワーマネジメント(電源)IC生産が増えていることが理由だ。

 設備業者は、TSMCの他、聯華電子(UMC)も第2四半期に8インチ工場がフル稼働になると予測。TSMC傘下の世界先進積体電路(VIS、バンガード・インターナショナル・セミコンダクター)については、IDMの生産委託拡大やディスプレイドライバIC需要回復で最も恩恵を受け、第2四半期末までにフル稼働となり、第3四半期連結売上高は過去最高を更新すると予想した。

【表】

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