ニュース 電子 作成日:2019年3月27日_記事番号:T00082674
グーグルは26日、新北市板橋区の台北遠東通訊園区(Tパーク)内に新たに大型のオフィスエリアを設置すると明らかにした。2020年末からの利用予定。台湾はアジア太平洋地域のハードウエア開発の最重要拠点との位置付けで、人工知能(AI)の強化も進める中、現在約2,000人の従業員数が将来2倍以上に拡大することを見込んでの措置だ。27日付工商時報などが報じた。
シニアバイスプレジデントのオスターロー氏(前右3)は、AIのハードウエア・ソフトウエア統合の過程で、台湾人材の貢献は欠かせないと述べた(26日=中央社)
グーグルは昨年1月、スマートフォン「ピクセル」の開発部門を、生産委託先の宏達国際電子(HTC)から買収したことで、台湾がアジア太平洋で最大のハードウエア開発拠点となった。新オフィスには、20年末からハードウエア開発チームの一部を段階的に移転させ、台湾各地に分散している開発チームも集約する。
新オフィスはビルを賃借し、世界各地のオフィスに倣ってオープンで快適なワーキングスペースや▽カフェテリア▽カフェ・スイーツコーナー▽ジム──を設ける。現在の台湾従業員の2倍に当たる4,000人が勤務可能となる。グーグルのハードウエア・サービス担当シニアバイスプレジデント、リック・オスターロー氏は、同社が「AIファースト」を掲げる中、台湾の役割は高まっており、新オフィス設置を決めたと語った。
グーグル台湾の簡立峰董事総経理は、新オフィスへの移転規模や、HTCと共用する新店オフィス(新北市新店区)を継続使用するかについては検討中と説明した。台北101の本部オフィスは維持する。
Tパークを運営する遠伝グループの遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)は、Tパーク内で第5世代移動通信(5G)実証試験や無人運転車の研究を行っている。経済日報は、グーグルは5G試験場で各種の応用開発を進めると予測した。
デジタル人材、育成倍増へ
一方、1周年を迎えたグーグルのAI人材育成支援プログラム「智慧台湾(インテリジェント台湾)」では、AIトレーニング5,000人、デジタルマーケティング課程5万人の初年度の育成目標を達成した。グーグル傘下の動画サイト、ユーチューブ向けコンテンツ制作講座にはユーザー200人と大学関係者230人、教育機関向けグループウエア「G Suite for Education」説明会には教師など9,600人が参加した。1万人を超える学生との交流や女子学生向けイベントの開催など、台湾で確実に人材育成の種まきを進めている。
今後は20年末までに▽AIベーシック課程、1万人▽クラウド・AIテクノロジートレーニング、2万人▽デジタルマーケティング課程、10万人──の受講を見込み、台湾の関連人材の大幅拡大を目指す。
簡総経理は、AI学習へのハードルを下げることが人材育成の鍵だと指摘。今年は新たに企業向けのマシンラーラング講座を設ける他、工業技術研究院(工研院、ITRI)や大学など9機関と連携し、AI教育普及のための学校向けプログラムで教師80人の育成を行うと説明した。また、デジタルマーケティングのワークショップ「デジタルガレージ」は、昨年に続いて台南文化創意産業園区や逢甲大学(台中市)での地方開催を続ける他、今年は新北市政府の電子商取引(EC)企業育成センター「新北社企・電商基地」での開催も予定する。
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