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バス事故発生2日に1件、台北市で管理強化


ニュース 社会 作成日:2019年3月27日_記事番号:T00082696

バス事故発生2日に1件、台北市で管理強化

 台北市ではここ数カ月、歩行者が路線バスに衝突して死亡するというニュースが相次いで伝えられている。同市政府交通局の統計によると、2015~18年の4年間にバスの交通事故は722件発生しており、ほぼ「2日に1件」の発生頻度だ。特に昨年は233件と、「1日半に1件」に高まっており、市議会議員などから対策を求める声が上がっている。

 バス運行会社別の統計によると、事故が最も多かったのは大都会汽車客運で145件。続いて欣欣客運の114件、三重客運の75件だった。中でも大都会客運は、15年の事故発生件数が24件、昨年は63件と大幅に増加した。同社には台北市政府が4割近くを出資していることから、市議は「市政府による監督、管理機能が働いていないのではないか」と批判した。

 路線別では、欣欣客運が運行するMRT(都市交通システム)動物園駅~松山駅を結ぶ「611路線」が4年間で19件と最も多かった。ワースト2位は三重客運と大都会客運が共同運行する「306路線」(新北巿蘆洲区~台北市南港区)の17件、3位は大有客運が運行する「212路線」(台北市南港区~万華区)と、三重客運と大都会客運が共同運行する「299路線」(台北市信義区~新北市新荘区)のそれぞれ16件だった。

 監督機関の台北市公共運輸処はバス運行会社に対し、運転手に対する定期研修強化、安全運転への報酬制度導入に加え、カーブを曲がる際に警告を発する装置や、運転手の視野を補う支援システムの導入などの対策を要求した。

 大都会客運が運行するMRT剣潭駅~陽明山の「紅5路線」では2月、中国文化大学近くで、横断歩道(台北市士林区)を渡っていた女子大学生がひかれて死亡する事故が発生した。バスのフロントガラス両脇に設置された「A柱」と呼ばれる支柱により死角が生じ、運転手から歩行者が見えなかったことが原因とみられている。大都会客運は同路線を運行する車両11台全てに先進運転支援システム(ADAS)を配備することを決定した。

 歩行者や乗客の安全を確保するため、できる限りの対策を講じてもらいたいものだ。