ニュース 社会 作成日:2019年3月28日_記事番号:T00082721
絶滅の危機にひんしている台湾固有種、タイワンヤマネコ(石虎)の生息数が台湾全土で500匹を下回っていることが確実視されており、既に絶滅したと結論付けられている台湾ウンピョウと同じ運命をたどると懸念されている。
台中世界花卉博覧会(台中フローラ世界博覧会、台中花博)に展示されているタイワンヤマネコの剝製(YSN)
タイワンヤマネコはベンガルヤマネコの台湾亜種で、ネコのような体にヒョウのような斑点模様を備える夜行性動物。かつて標高の低い山間部なら台湾全土でその姿を見ることができた。
毛皮の美しさから狩猟の対象となったり、食料として利用されることもあった他、主な活動エリアが人間と重なり、開発が進んだ結果、住む場所を失い、徐々に生息数が減少していった。
行政院農業委員会(農委会)は1989年にタイワンヤマネコを希少な野生動物として保護対象にリストアップ。2008年には「絶滅危惧種」に指定した。
苗栗県南部が最大の生息地だが、同地でも道路の新設や工業園区の開発が進んでいる。台湾石虎保育協会の陳美汀理事長によると、生息エリアの面積から推測すると、現在の生息数は468~669匹。しかし、厳密に言えば500匹を割り込んでいることはほぼ確実だという。
過去6年、毎年約10匹のタイワンヤマネコが各地の道路で事故死しており、うち6割が苗栗県内だった。このため、よく出没する道路区間には発光ダイオード(LED)標識を設置し、運転手に減速走行を促すなど対策が採られている。
道路での事故死以上に多い死因としては、養鶏農家がニワトリを守るために毒殺するケースが指摘されている。専門家の調査によると、苗栗県の養鶏場のうち3分の1がタイワンヤマネコを捕獲したり、殺傷したことがあると判明している。同県には500カ所以上の養鶏場が存在することから、毎年20~50匹が犠牲になっていると推測される。
保育協会の陳理事長によると、苗栗県通霄鎮では追跡用発信器を取り付けたタイワンヤマネコ6匹が全て農家に捕獲されたり、毒殺されたこともあったそうだ。
専門家によると、中~大型の哺乳動物が絶滅を回避するには数百匹の生息数を確保する必要があり、タイワンヤマネコはまさに絶滅か生き残りかの瀬戸際を迎えている。
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