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詐欺集団が誘う中国旅行、最悪死刑も


ニュース 社会 作成日:2019年4月16日_記事番号:T00083013

詐欺集団が誘う中国旅行、最悪死刑も

 台湾では最近、中国の銀行で口座を開設することを条件に無料で中国旅行に招待され、さらに帰台後に高額の現金が受け取れるという甘い話が口コミやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて拡散している。しかし、実際に誘いに応じて中国へ出掛けた場合、詐欺グループの一員として犯罪を手伝ったとして逮捕され、死刑判決を受ける可能性もあるとして、警察が注意喚起している。

 「中国での口座開設ツアー」の参加者を勧誘しているのは、台湾の詐欺グループ「行騙天下」で、蘋果日報の記者は誘いに応じてメンバーと接触した。そのメンバーは、中国工商銀行(ICBC)、中国建設銀行、中国農業銀行で口座を開設し、インターネットバンキングを利用するための専用USBメモリー「U盾」をツアーコンダクター(詐欺グループの現地メンバー)に手渡せば、飛行機代やホテル代を含めた4泊5日の旅行費用が無料となり、さらに帰台後に3万5,000台湾元(約12万7,000円)を支払うと約束した。

 別のメンバーは、ツアー参加者は中国へ到着した後、別の参加者1人とマレーシア籍のツアーコンダクター1人と共に行動すると説明。「自分も6年前からツアーに参加しているが今まで問題が起きたことは一度もない」と強調した。ただ脅すような口調で「もし(口座開設に)失敗すれば、費用は全て弁償しなければならない」と付け加えた。

 内政部警政署刑事警察局(刑事局)の調べによると、開設された口座は電話詐欺の振込口座として利用されていることが分かっている。

 刑事局は、中国政府が近年、詐欺犯罪の防止に向けて銀行口座開設に厳格な実名制を導入しており、詐欺グループは口座の用意が困難になっていると指摘。また中台関係が冷え込む中、双方の警察が捜査協力に消極的で、台湾人名義で開設された口座の闇取引相場が上昇しているという。

 中国で口座を開設して詐欺グループに引き渡したことが現地警察に発覚し、犯行が悪質と判断された場合、5~10年の懲役刑を受けたり、さらに主犯と認定されれば死刑となる可能性もあるという。甘い話にはくれぐれも気を付けたいものだ。