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元男性同士が結婚、「後悔したことない」


ニュース 社会 作成日:2019年4月24日_記事番号:T00083165

元男性同士が結婚、「後悔したことない」

 性自認は女性で、かつ恋愛対象も女性という「元男性」2人が合法的に婚姻関係を結び、夫婦生活を続けている。そんな2人がこのほど、自分たちのようなトランスジェンダーのことを多くの人に知ってもらおうとメディアの取材を受けた。

 今年34歳になる黄怡愷さんは小さいころ、自分は他の男の子と変わらないと感じていた。高校生の時は色白で長髪という中性的な格好をしていたものの、自身の性別にそれほど強い違和感は持っていなかったという。

 しかし高校を卒業して兵役に就いた際、男だけで寝起きする生活に、半年足らずで精神的に耐えられなくなった。医師により「人格障害」と診断され、5カ月間の入院の末、除隊することとなった。

 このころ心に「女性になりたい」という感情が芽生えたが、その後も約10年にわたり男性としての生活を続け、複数の女性と交際したこともあった。しかし本当の気持ちを抑えることができなくなり、30歳を過ぎた2014年、母親が亡くなったことをきっかけに女性として生きることを決意した。

 そして16年に、同じ気持ちを抱える男性6人とインターネット上で知り合い、彼らとの食事会で後の伴侶となる芃芃さん(38)と出会う。芃芃さんを見て胸の高まりを抑えられなくなった黄さんは、集合写真を撮る際に、ふざけてキスをするふりをして気を引くことに成功。すぐに交際がスタートした。

 2人の交際は順調に進み、17年3月、ついに性別適合手術を受けるため、日本へ向かった。芃芃さんは陰茎と睾丸(こうがん)を切除し、女性器を形成したが、わずかにためらう気持ちが残っていた黄さんは睾丸の切除だけにとどめた。

 手術後、芃芃さんは戸籍上の性別を変更し、社会的にも女性の身分を正式に手に入れた。一方の黄さんは戸籍上、男性のままだったため、男性と女性として合法的に結婚することが可能となり、半年後に婚姻届を提出した。

 戸籍では黄さんが「夫」、芃芃さんが「妻」で、芃芃さんが大学の研究助手として収入を確保し、黄さんは家事を担当している。

 自らの人生について黄さんは、「女性になったことでつらい思いをしたり、奇異の目で見られることもあるが、一度も後悔したことはない」と語っている。