ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

小吃の値上がり続く、庶民の懐を圧迫


ニュース 社会 作成日:2019年4月29日_記事番号:T00083248

小吃の値上がり続く、庶民の懐を圧迫

 「小吃(屋台料理)」といえば、低価格で味わうことができ、市民の生活に最も密着したグルメというべき存在だ。しかしここ最近、台北市では原材料費、人件費、家賃などの上昇を受けて値上げが相次いでおり、庶民の懐を圧迫している。

 自由時報の記者が台北市内の商圏や夜市(ナイトマーケット)を調査したところ、▽鶏排(フライドチキン)▽甜不辣(テンプラ、さつま揚げや大根などが入ったおでん風の煮物)▽蚵仔煎(台湾風カキ入りオムレツ)▽蚵仔麺線(カキ入りの台湾風細麺)▽車輪餅(大判焼き)▽乾麺(汁無し麺にしょうゆだれ、そぼろ肉、ネギ油などをかけたメニュー)──など台湾を代表する小吃の多くで値上がりが見られた。

 蚵仔煎は台湾の「国民食」とも称されるが、カキの価格上昇により現在では大部分が1枚60台湾元(約217円)台で売られている。一部に硬貨1枚で購入できるよう50元に据え置いている店もあるが、こうした店では具材や分量の見劣りが激しいという。

 台北市万華区で30年近く営業を続ける人気麺線店「陳記専業腸蚵麺線」では創業当時、麺線1杯を25~30元で提供していたが、現在は75元へと値上げした。また観光客に人気の西門町の「阿宗麺線」でも大サイズが70元で売られている。

 鶏排は長らく1個50元に据え置かれていたが、現在では大部分の屋台が70元で販売している。さらに、大手チェーン「悪魔鶏排」は今年、70元から80元に値上げすると表明。士林夜市の有名店「碳烤鶏排」は80元で販売している。

 乾麺は値上げ幅がより深刻で、かつて1杯20元程度だったのが今や35~45元なら安い方で、70元や80元という店も出現している。5月には小麦粉価格が引き上げられるとの観測が出ており、多くの店が麺類のさらなる値上げを行うと見込まれている。

 こうした中、グルメ専門家は「コスト増加を受けた小吃の値上げは自然なこと」と理解を示す者と「市民の給与が増えていないのに値上げを実施すれば顧客が離れる」と疑問視する者との間で意見が分かれている。