ニュース 電子 作成日:2019年4月30日_記事番号:T00083249
サーバー大手、米スーパーマイクロ・コンピューター(SMCI)は、台湾での生産と研究開発(R&D)の拡大に100億台湾元(約360億円)を投じる。米中貿易戦争による制裁関税や、サーバー製品からの情報抜き取りを懸念する顧客の声が、中国からの生産移転を後押ししたとみられる。既に生産回帰を進めている台湾のサーバー受託メーカーにとって、受注拡大が期待できそうだ。30日付経済日報などが報じた。
リャンCEO(左)と蔡総統(中)。サーバー業界では、サプライチェーンも含めて中国からの生産移転が加速しそうだ(29日=中央社)
スーパーマイクロは29日、桃園市八徳区の同社アジアテック&サイエンスキャンパス(亜太科技産業園区、5.7ヘクタール)で、第2期拡張工事に着手した。投資額は20億元。9階建ての建物を新築し、延べ床面積は6万6,000平方メートル増加、就業機会400件を創出する。
同社は2012年に同地に進出し、従業員960人を抱える。
部品メーカーも恩恵
業界関係者は、米中貿易戦争を契機に台湾へのUターン投資の動きが目立つサーバー受託生産業者などが恩恵を受けるとみている。▽マザーボード▽IC基板▽放熱モジュール──などサーバー関連部品のメーカーも受注も期待できそうだ。海外メディアによると、スーパーマイクロのサーバー用マザーボードは主に台湾メーカーが中国で生産していた。
業界関係者によると、具体的には▽日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)傘下の環鴻科技(USI)▽緯創資通(ウィストロン)▽華泰電子(オリエント・セミコンダクター・エレクトロニクス)▽スーパーマイクロ傘下の肯微科技(コンピューウエア・テクノロジー)──などが恩恵を受けそうだ。
この他、サーバー筐体(きょうたい)では、勤誠興業(チェンブロ・マイコン)がサプライチェーン入りするとの観測が伝えられている。
スーパーマイクロ創業者で最高経営責任者(CEO)のチャールズ・リャン(梁見後)氏は台湾系米国人。沈栄津経済部長とは台北工業専科学校(現・台北科技大学)での同僚で、昨年6月に沈経済部長が訪米した際に働き掛けを受けたことが、今回の投資につながった。
サプライチェーンごと回帰
着工式に出席した蔡英文総統は、外資・華僑による5億元以上の台湾投資は昨年、前年比21%増の5,365億元と近年で最高を記録したと指摘し、今年のさらなる投資拡大に期待感を示した。
今年よりスタートした台商(海外で事業展開する台湾系企業)のUターン投資を支援する政府の「歓迎台商回台投資行動方案」では、これまでに40社、2,057億元の投資が承認されており、ネットワークやサーバー関連企業も含まれている。
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