23日蘋果日報が外電の報道として伝えたところによると、米デルが低価格ノート型パソコン(ノートPC)を、業界最安値の299米ドルで早ければ今年8月に発売する。シリーズ名は「Dell E」で、同市場で一人勝ち状態の華碩電脳(ASUS)の「Eee PC」に真っ向から対抗する。機能面では他社に引けを取らず、華碩や低価格ノート市場に参入した後発の台湾各社にとって大きな脅威となりそうだ。
デルの低価格ノートPCは8.9インチディスプレイで、「Dell E」、ウェブカメラ付きの「Dell E Video」、さらにブルートゥースなども搭載された「Dell E Video +」の3機種、カラー6色が発売される予定だ。外付けハードディスクドライブ、デジタルテレビチューナー、マウス、イヤホンなどの周辺機器も充実している。
CPU(中央演算処理装置)にはインテルの低消費電力プロセッサー「Atom」を採用。記憶装置はソリッドステートドライブ(SSD)の4、8、16GB(ギガバイト)を用意、OSはリナックス、ウインドウズXPの2種類、メモリーは512MB(メガバイト)または1GBとなっている。
販売価格が最低の299米ドルタイプは、SSD4GB、メモリー512MBのリナックス機だ。なお、「Dell E」シリーズについて、デルからはまだ正式発表は行われていない。
初の1万元以下、仁宝・友達に恩恵
「Dell E」の圧倒的なメリットは、約9,000元(約3万1,800円)まで抑えた販売価格だ。CPUとOSで同条件の低価格ノートPCは、▽「Eee PC」(華碩)、1万6,900~1万9,900元▽「Aspire One」(宏碁(エイサー)、エイサー)、1万2,000~1万5,000元▽「Wind NB」(微星科技、マイクロスター・インターナショナル)、1万2,000~1万8,000元───となっており、低価格カテゴリーの中でも価格優位性は際立っている。
「Dell E」もOLPCと同様、教育市場や新興市場を販売ターゲットに狙っている。発売時期は8月で内定しているが、インテルの「Atom」の供給不足が影響し、実際の発売は9月にずれ込むという予想が業界関係者より出ている。販売台数が伸びれば、受託生産を請負う仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)やパネルの友達光電(AUO)、韓LGディスプレイ(LGD)の業績に大きく貢献すると予想される。
スリム版やWiMAX対応機種も
デルは、12.1インチディスプレイ、厚さ2センチメートルの「Dell E Slim」も8~9月に発売し、超薄型ノートPC市場で聯想集団(レノボ)の「シンクパッドX300」、米アップルの「Mac Book Air(マックブック・エア)」に挑戦する。OSはリナックス、ウインドウズXPの2種類、記憶装置は40、80GBで、販売価格は明らかにされていない。