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記事番号:T00083382
2019年5月8日15:31

 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、5ナノメートル製造プロセスの強化版(5ナノプラス)を2021年上半期にも量産開始する。5ナノから演算効率が7%向上し、電力消費を15%抑えられる。同業他社との技術的リードをさらに拡大し、第5世代移動通信(5G)や人工知能(AI)などの先端分野の受注を総取りできる可能性がある。8日付工商時報が報じた。

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 TSMCは第1四半期、5ナノプロセスの試験生産を完了。20年第2四半期に量産を開始する予定だ。5ナノプラスは20年第1四半期に試験生産、21年上半期に量産と、5ナノより1年遅れのスケジュールとなる。南部科学工業園区(南科)Fab18工場で生産する。

 5ナノプラスは5ナノと同じ電子設計自動化(EDA)ツールや第三者のIPコアを使用できるため、顧客はより高性能な製品に低いコストで移行できる。

 TSMCが短いスパンで5ナノからのアップグレードを行うのは、顧客の囲い込みが目的だ。先進製造プロセスは、5GやAIの他、高性能計算(ハイパフォーマンスコンピューティング、HPC)、先進運転支援システム(ADAS)、自動運転車などへの採用が見込まれるが、こうした分野の顧客は数が限られており、業界では「7ナノで7社、5ナノで5社」といった話も伝えられている。

 一方、巨額な設備投資が必要なことから、7ナノと5ナノをそろえるファウンドリーはTSMCとサムスン電子のみになるとみられ、TSMCは技術的リードを保ちさえすれば、あらゆる受注を総取りできる見通しだ。

7ナノ市場を独占

 TSMCは現在、7ナノプロセス市場で他社を圧倒しており、受注を独占している。今年は100件以上の新製品のテープアウト(設計完了)を見込む。

 極端紫外線(EUV)リソグラフィー技術を採用した7ナノ強化版(7ナノプラス)は、第2四半期に量産を開始。

中国スマートフォン大手の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)傘下の半導体メーカー、海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)のスマホ用プロセッサー新製品「麒麟985」を生産している。

 EUVリソグラフィー技術は、今後の先進製造プロセスの主流となる見通しだ。TSMCは、同設備の光源の出力効率を現在の280ワット(W)から年内に300W、来年には350Wへと引き上げる計画だ。これにより、設備の稼働時間比率が来年には90%へと、昨年の70%から改善する見通しだ。

【表】

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