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睡眠薬服用、初めて9億粒を突破


ニュース 社会 作成日:2019年5月15日_記事番号:T00083536

睡眠薬服用、初めて9億粒を突破

 衛生福利部中央健康保険署(衛福部健保署)の統計によると、睡眠薬の2018年の服用者数は426万5,000人で、16年の411万7,000人から増加。通年の服用量は9億1,800万粒と初めて9億粒を突破したことが明らかとなった。

 新光医院睡眠センターの林嘉謨主任は睡眠薬の服用量増加の要因について、不眠に悩む市民が医師の診察を受けるケースが従来より増えたと分析。患者は医師から不眠症の原因を指摘されても薬を処方されなければ、治療された実感が持てないため、薬を要求することが多い。

 台湾睡眠医学学会の調査によると、台湾人の平均睡眠時間は平日で6.86時間、休日で7.51時間だった。慢性不眠症の市民は11.3%と、ほぼ10人に1人に上った。

 同学会所属の臨床心理士、呉家碩氏は慢性不眠症とは、▽寝付きが悪い▽深夜に目が覚める▽30分以上早く目が覚める──といったことが1週間に3回以上、3カ月以上続き、かつ主観的に不眠でつらいと感じる場合を指すと説明した。

 同学会が今年1~2月に行った調査によると、看護師、コンビニエンスストアの店員、警備員などシフト制の職場で働く人が慢性不眠症に悩む比率は23.3%と、日中の一定の時間に働いている場合の10.7%に比べ大幅に高かった。

 シフト制で勤務時間変更の頻度が高いほど慢性不眠症に悩む比率は高く、1週間ごとに変更される場合は35.4%に上った。また、夜勤の日数が1カ月に13日以上、深夜勤務がある場合は30.6%に上った。

 シフト制の場合、睡眠に関する問題が原因で交通事故や、業務上での事故を起こし、負傷したとの回答は25.3%と、日中の一定の時間に働いている場合の2.7%を大きく上回った。

 こうした調査結果を受けて呉氏は、シフト制を導入する場合、勤務時間の変更は2週間以上に1度とし、特に深夜勤務がある場合は、2日以上の休暇を与えるよう提言している。

 一方、台北医学大学呼吸治療系の劉文徳福教授は、50代で睡眠に多少の問題を抱えるのは当たり前で「日中、元気に活動できれば問題ない」と指摘。医師の診察を受けるかどうかはこれが目安となりそうだ。