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記事番号:T00083567
2019年5月17日15:39

 トランプ米大統領が華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)製を念頭に安全保障上の脅威がある外国の通信機器の使用を禁止する大統領令に署名し、米商務省がファーウェイと関連70社に対する事実上の禁輸措置を発動したことに関し、沈栄津経済部長は16日、台湾もファーウェイ製品の使用を制限するか行政院が検討していると述べた。一方、ファーウェイに供給している台湾積体電路製造(TSMC)などは受注が減少する恐れがあるが、他の通信機器ブランドに供給する台湾メーカーは受注が増える可能性があると指摘した。17日付経済日報などが報じた。

/date/2019/05/17/00huawei_2.jpg沈部長は16日、台湾メーカーに対し、ファーウェイ以外の通信機器メーカーからの受注を狙ってほしいと呼び掛けた(16日=中央社)

 行政院は、中央政府の各機関は現在ファーウェイ製品を使用していないが、4月18日に発表した政府機関などが情報通信機器を調達する際に守るべきルール「国家の情報通信安全に危害を与える製品の使用を制限する原則」に従い、危害を与える恐れのあるブランドのリストを提出するよう各機関に求めており、行政院が整理した上で7月にも公表すると説明した。対象は中国に限らない。

 リストの対象となる見込みの第5世代移動通信(5G)向け通信機器の調達について通信キャリア各社は、政府の調達規定に従う方針だ。

 沈経済部長は16日の立法院経済委員会で、ファーウェイは唯一の通信機器ブランドではなく、エリクソン、ノキア(アルカテル・ルーセントを買収)などもあると強調した。

「半年の命」

 経済部関係者は、ファーウェイが昨年発表した主要サプライヤーリストには、▽ファウンドリー最大手、TSMC▽鴻海精密工業傘下の富智康集団(FIHモバイル)▽カメラレンズ最大手、大立光電(ラーガン・プレシジョン)▽IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)──などが含まれたと指摘した。ファーウェイは昨年米国の対中制裁の標的となった中興通訊(ZTE)よりはるかに規模が大きく、いつまで耐えられるか注視していると語った。

 業界では、ファーウェイは昨年12月にカナダ当局にファーウェイ幹部が拘束されて以来、最悪の事態を想定し、事前に部品を大量に調達したものの、半年分しかなく、台湾サプライヤーも半年後には苦境を強いられるとみられている。在庫確保の根拠は、アップル向け出荷が低迷した時期にもかかわらず、あるレンズメーカー(ラーガンを指す)は3~4月売上高が大幅成長し、あるファウンドリー(TSMCを指す)は受注が急増したことだ。

 ファーウェイは通信機器の世界首位、スマートフォンの世界2位。台湾からの調達は毎年2桁成長となっており、今年の調達額は100億米ドル規模。ファーウェイのスマホ出荷が増え続ける限り、台湾からの調達も増え続けると予想されていた。

欧州向けで打撃緩和か

 ファーウェイの主要サプライヤーリスト92社のうち、米国メーカーは33社だ。

 資誠聯合会計師事務所(プライスウォーターハウスクーパース台湾、PwC台湾)の曽博昇氏は、ファーウェイは米国から多くの基幹部品を輸入しており、昨年標的となったZTEのように米国からの部品調達の道が絶たれれば、台湾のサプライヤーへの発注も削減される恐れがあると語った。ただ、ファーウェイが米国の代わりに欧州や日本から基幹部品を調達できれば、台湾メーカーの打撃も緩和されると予測した。

 安侯建業聯合会計師事務所(KPMG台湾)の丁傅倫氏も、ファーウェイは近年、欧州など米国以外に注力しており、台湾メーカーへの打撃は予想より軽くなる可能性があると語った。

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