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60万元の世界周遊クルーズ、「まるで難民旅行」


ニュース 社会 作成日:2019年5月20日_記事番号:T00083614

60万元の世界周遊クルーズ、「まるで難民旅行」

 豪華客船に乗ってイタリアを出港後、各国で寄港しつつ55日間かけて台湾に向かうクルージングツアーに参加した夫婦が、60万台湾元(約210万円)もの費用を支払ったにもかかわらず、粗末な食事しか提供されず、妻は体重が10キログラムも減少、夫は体調を崩し、「まるで難民のような旅だった」と批判の声を上げている。

 成長旅行社が運営する同クルーズは、3月3日に航空機で台北からイタリアに行き、豪華客船「コスタ・ベネチア号」に乗船。▽イタリア▽ギリシャ▽イスラエル▽ヨルダン▽インド▽スリランカ▽マレーシア▽シンガポール▽ベトナム▽中国──などを巡り、4月26日に基隆港に帰港した。

 参加者の夫婦によると、提供される食事は毎日同じようなものばかりだっただけでなく、フルーツが傷んで黒くなっていたり、エビが腐っていたりして、満足に食べることができなかった。

 また、コスタ・ベネチア号は新造船で、船内に塗りたてのペンキのホルムアルデヒドの臭いが充満。夫は体調を崩し、3日間にわたり点滴を受けた。

 この他、ツアーの途中で添乗員の1人が台湾へ帰り、70歳台の添乗員が2グループを1人で引率するようになったため、ベネチアで小型船に乗った際に定員を超過したり、ライフジャケットが不足するなど管理がずさんになった。イスラエルでは添乗員とはぐれ、武装した警官に銃を向けられながら身体検査を受けた。

 これに対し成長旅行社は、食事に対する不満を船会社に伝えたところ、台湾人以外の乗客からは特に苦情はないとの回答だったと説明。また船内のホルムアルデヒドの臭いと乗客の体調不良は無関係で、他の乗客から風邪をうつされたことが原因と指摘した。

 添乗員の帰台については、体調を崩した高齢の客に付き添って下船したためで、後に別の添乗員を派遣したと釈明。イスラエルで警察に検査を受けたケースは、乗客が写真を撮っていてグループからはぐれた可能性があるとの見方を示した。

 双方の説明が対立している状態だが、中華民国消費者文教基金会(消基会)は、乗客は撮影した写真などを第三者機関に鑑定してもらい、旅行会社が事前にうたっていた内容と異なると証明できれば、違約金を請求できるとコメントした。