ニュース 電子 作成日:2019年5月21日_記事番号:T00083620
ロイター通信によると、米中貿易戦争に伴い米国企業による中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)への輸出が事実上禁止されたことで、グーグルはファーウェイ製スマートフォンの今後の新機種に対し、アンドロイド基本ソフト(OS)セキュリティーパッチとグーグル製アプリの提供を停止した。アプリストアを直接利用できないなど機能が大きく制限され、ファーウェイ製スマホの海外販売は大きく減少する見通しで、台湾積体電路製造(TSMC)など台湾サプライヤーの業績に打撃となりそうだ。21日付経済日報などが報じた。
ファーウェイ製品の重慶の店舗。同社は20日、中国市場での製品、サービスに影響はないと表明した(21日=中央社)
市場調査会社、カウンターポイント・リサーチによると、ファーウェイは今年第1四半期、アップルを下し、スマホ世界販売シェア2位に浮上。集邦科技(トレンドフォース)は1月時点で、ファーウェイの通年スマホ販売は前年比9.8%増と予測しており、台湾サプライヤーは需要を楽観視していた。提供停止となる▽アプリストアのグーグルプレイ▽Gメール▽ユーチューブ──などグーグルのサービス用アプリは、中国政府の規制で中国でもともと利用できないため、影響は中国以外の海外市場が中心となる。
▽ファウンドリーのTSMC▽カメラレンズの大立光電(ラーガン・プレシジョン)▽IC設計の聯発科技(メディアテック)──は現時点で受注に変化はなく、影響を注視していると説明した。市場では、メディアテックがファーウェイへの出荷を一時停止したとの観測も出たが、メディアテックは否定した。
サプライヤー15社、利益減
クレディ・スイスは、ファーウェイが今後6カ月スマホと通信設備を出荷できない場合、他メーカーではスマホの50%、通信設備の75%しか補えないと指摘。台湾サプライヤー15社の利益の引き下げ要因になると指摘した。下半期利益に対するマイナス影響幅はTSMCが5%、通年利益では、鴻海精密工業傘下の富士康工業互聯網(フォックスコン・インダストリアル・インターネット、FII)が17%、ラーガンが8%などと予想される。
一方、メディアテックは、OPPO広東移動通信、小米集団(シャオミ)など他の中国スマホメーカーにも供給しており、恩恵を受けるとみられる。
サムスン需要拡大は不利
21日付工商時報は、ファーウェイ海外販売減で、消費者需要が▽アップル▽OPPO▽シャオミ──に向かえば台湾サプライヤーは受注を確保できるが、サムスン電子の場合は、同社は韓国サプライヤーや自社供給比率が高いため、深刻な影響を受けると論評した。
アンドロイドOS搭載スマホは、欧州市場でシェア7割以上を占め、台湾サプライヤーの比率の高いアップル製スマホは大きく伸びないとみられる。進出して数年に満たないOPPOやシャオミの知名度は高くなく、中国ブランドであることもあり、幅広い価格帯で製品を備え、欧州市場で経験を持つサムスンが有利になるとみられる。
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