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裕隆集団の中国販売、米中貿易戦で暗雲


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2019年5月22日_記事番号:T00083646

裕隆集団の中国販売、米中貿易戦で暗雲

 自動車大手、裕隆集団は21日、今年の中国新車市場規模は2,810万台とゼロ成長に落ち込むとの見通しを示した。米中貿易戦争の影響で中国の個人消費が急速に冷え込んでいるためだ。これを受け裕隆集団は、自社ブランド「LUXGEN(ラクスジェン)」の販売目標を3割以上引き下げた。また、中国子会社の東風汽車も大幅な利益減が見込まれている。22日付蘋果日報などが報じた。

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 ラクスジェンを製造するグループ傘下の裕隆汽車製造(ユーロン・モーター)は、今年の中国の販売目標を1万台へと、従来の1万5,000台から33%引き下げた。台湾でも同様に1万2,000台から1万台へと16%引き下げた。裕隆汽車の姚振祥総経理は、1~4月は売れ行きが振るわず、購買意欲の低迷が見られると指摘。加えて、今年の注目車種であるスポーツ用多目的車(SUV)の新シリーズ「URX」の発売時期を、品質確保のために予定していた第2四半期から第3四半期へと遅らせたことから販売目標を引き下げたと説明した。

 東風汽車は今年の中国市場の販売目標を前年比12.1%増の10万2,000台としているが、証券会社は達成は不可能とみている。親会社の中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)の銭経武協理は、中国市場では昨年下半期より、排ガス規制厳格化の取り組みが強化された結果、ディーラーが在庫処分を余儀なくされ、新車の出荷が減少、さらに今年の米中貿易戦争の激化で、消費者の購買意欲が低下していると分析した。

台湾市場、42万台に下方修正

 裕隆集団は、今年の台湾新車市場の規模予測も42万台へと引き下げた。昨年の実績42万5,158台を割り込むとの予測だ。2月時点では、42万8,000台へと小幅な増加を予測していたが、米中貿易戦争の再燃や、2020年1月の総統選挙で消費者の購買意欲が弱まるとして慎重な見通しに改めた。

 ただ中華汽車は、大型車を含めた4輪自動車の今年の販売目標は5万台で、昨年実績4万8,335台を小幅に上回ると予測。裕隆日産汽車の目標は4万台で、日産の台湾生産SUV「キックス」の好調をばねに昨年の3万5,000台からの大幅増を狙う。キックスは、昨年11月の発売から累計販売台数が1万台を突破し、毎月1,300~1,400台の納車がある。

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