ニュース
社会
作成日:2008年6月25日_記事番号:T00008365
夫婦生活もあり!今どきの「幸せな」偽装結婚
密航手配ブローカーの蛇頭集団(スネークヘッド)による偽装結婚のあっせんは、手口がますます複雑になっている。内政部出入国・移民署の面接で偽装結婚の化けの皮がはがれぬよう、偽装結婚する男女には長期間夫婦として生活させるほどの念の入れようだ。
これは台中市のホームレス男性、王さん(56)の身に実際に起こった話。今年2月、王さんはある男性から「嫁さんをもらってやる」と言われ、中国福建省福州市へ連れて行かれた。王さんを空港に出迎えたのは3人の子持ちの中国人女性(54)で、彼女は王さんに背広や下着のほか、皮靴と運動靴をそれぞれ1組ずつ買い与えた。二人は数日後、中国の裁判所で公証結婚を挙げたという。
王さんは自分の結婚は偽装ではなく、「本当に嫁さんをもらったんだ」と強調。結婚後は妻の家に住み、夫婦生活もちゃんとあったという。3歳で父を亡くし、母親が再婚したために祖母に育てられた王さん。中国人妻が身銭を切って彼に嫁いだ目的は知る由もないが、自分自身は一銭も使わずに中国へ行き、実際に結婚して、生涯で初めて温かい家庭のぬくもりを味わうことができ、本当に幸せだったと語る。
王さんは半年間の幸せな結婚生活を送った後、先に台湾へ帰ってきた。彼の中国人妻は「将来台湾に行って商売をするわ」と言っているそうだ。
王さんの証言によると、福州市では20代から60代以上までさまざまな年齢層の100人以上の台湾人男性が現地の女性と結婚するための準備をしていたとか。台中市政府社会処救助科では、「動機は不明」としつつ、蛇頭集団が台湾人ホームレスらを頭数にして偽装結婚を行わせているものとみている。