ニュース 電子 作成日:2019年5月27日_記事番号:T00083722
スマートフォン世界2位、中国・華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の、米国の輸出禁止措置によるシェア流出が見込まれる中、首位の韓国・サムスン電子はこれをシェア拡大の好機として、新機種の在庫を約1~2割積み増すもようだ。台湾では、放熱モジュールやタッチパネル関連のサプライヤーが恩恵を受けそうだ。27日付経済日報などが報じた。
サムスンへの出荷増が見込まれるのは、サムスンと長年協力関係にある放熱モジュールの双鴻科技(オーラス・テクノロジー)と超衆科技(CCI)の他、泰碩電子(タイソル・エレクトロニクス)、タッチパネル用センサーの和鑫光電(ハンスタッチ・ソリューション)など。サムスンのスマホは自社など韓国からの調達比率が高く、アップルやファーウェイのようには台湾サプライチェーンへの依存度が高くないため、恩恵を受けるのは一部の分野に限られる見通しだ。
サムスン電子は、間もなくミドル~ハイミドルエンドのスマホ新機種「ギャラクシーA40s」、「ギャラクシーA60」、「ギャラクシーA80」シリーズを発売する他、8月には新旗艦機種「ギャラクシーノート10」を市場に投入する見通しだ。複数の台湾サプライチェーン関係者は、特定の顧客についてのコメントを控えるとしつつ、受注状況は好調で、見通しも明るいと述べた。
ノート10、VC採用か
このうち、「ギャラクシーノート10」向けでは、放熱モジュールが量産前の最終段階に入ったとされ、早くて6月に出荷が始まり、7月にピークを迎えるもようだ。観測によると、「ギャラクシーノート10」は第5世代移動通信(5G)に対応するとされ、初めて放熱性能の高いベイパーチャンバー(VC)が採用されるとみられる。5G商用サービスが韓国や米国で始まる中、通信量の増大するスマホは放熱性能への要求がますます高まっている。VCは従来型ヒートパイプより省スペース化を図れ、技術的難易度も高いことから、オーラス、CCI、タイソルの販売単価と粗利益率上昇に貢献しそうだ。
タイソルは、米中貿易戦争の中でも市況を楽観視しており、通年売上高は昨年を上回るとみている。
一方、カメラレンズの大立光電(ラーガン・プレシジョン)は、ファーウェイやアップル向け出荷が多いものの、サムスンからの受注が増加すれば、ファーウェイからの受注減を補える可能性がある。
イージス、ハイエンド向けも
IC設計の神盾(イージス・テクノロジー)は、サムスンのロー~ミドルエンドスマホにディスプレイ埋め込み型光学式指紋認証ICを供給しているが、今後はミドル~ハイエンド向けも期待できそうだ。イージスはこの他、中国の維沃移動通信(vivo)から新機種向け受注を獲得、OPPO広東移動通信や小米集団(シャオミ)への出荷も狙う。
市場調査会社、IDCによると、今年第1四半期、サムスンのスマホの世界販売台数は7,190万台で、首位を維持したものの前年同期比8.1%減だった。一方、ファーウェイは5,910万台で、50.3%の高い伸び幅で2位に躍り出ていた。
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