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エベレスト登頂成功、台湾人女性2人目の快挙


ニュース 社会 作成日:2019年5月29日_記事番号:T00083797

エベレスト登頂成功、台湾人女性2人目の快挙

 世界最高峰のエベレスト(中国名・チョモランマ)に27日、台湾人女性登山家の詹喬愉さん(31)が登頂を果たした。風邪をひきながらの挑戦だったが、台湾人女性として2人目3例目の快挙を成し遂げた。

/date/2019/05/29/19kakomi_2.jpg詹さんはあと2週間ネパールに滞在し、6月中旬に帰台する予定だ(詹さんフェイスブックより)

 詹さんは、身長154センチメートル、体重45キログラムと華奢(きゃしゃ)な体ながら、数々の高山への登頂歴と、高山ガイド、ロッククライミングインストラクターの肩書を持つ。新北市の新板山山岳救助ボランティアで小隊長も務め、2014年には、標高3,560メートルの奇萊山(南投県・花蓮県)へ救援登山に向かった際、高山病を発症した自分より大柄な女性を一人で背負って標高の低い山小屋まで運び、救命したことが話題となった。

 そんな体力と平衡感覚に自信のある詹さんも、標高8,848メートルのエベレストへの挑戦は困難の連続だった。まず、高度に体を慣らすため、15日に登山隊のメンバー2人と、ネパールと中国国境にある標高世界5位のマカルー(標高約8,485メートル)にアタック、台湾人女性初のマカルー登頂者となった。その後、24日にネパール側からのエベレスト登頂を予定するも、山頂付近の突風に阻まれて断念。標高6,492メートルの第2キャンプまで引き返し、天候の回復を待つことにしたが、風邪をひいてしまう。気象予報から26~28日を最後のチャンスと読んだものの、詹さんは体調や天候次第では諦めることも考えた。

 現地時間26日午前2時、登頂を決断した詹さんは、第2キャンプを出発。途中、標高7,925メートルの第4キャンプに滞在した後、27日午前0時ごろに山頂へのアタックを開始した。3時間余りの道のりでは詹さんが登山隊のメンバーを励ましたという。そして、27日午前3時16分、ついに登頂を成し遂げた。

 近年、エベレストでは天候以外に、登山者数の増加によって人の渋滞が発生することが登頂の大きな障害になっている。経験の浅い登山者も増えており、渋滞の吹きさらしの中、体力を奪われ命を落とす例が後を絶たない。詹さんの登頂に先立つ5月21~23日には、天候に恵まれると見込んだ登山者500人以上が集中した。今シーズンの死者は10人に上る。

 死亡者が相次ぐ史上最悪の混雑シーズンに、エベレスト登頂を成し遂げた詹さん。成功の陰には、これまでの山での経験で培われた体力と経験、登頂の時機を見極める判断力、そして仲間を思いやる心があった。