化学繊維メーカー、新光合成繊維（新繊）の羅時銓総経理は29日、タイのペットボトル回収センターに投資し、タイ工場にペットボトルを再利用したポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）チップ生産ラインを新設すると明らかにした。総投資額は20億～30億台湾元（約69億～104億円）を想定しており、早ければ２年後に生産を開始する予定だ。30日付工商時報が報じた。
新繊の呉東昇董事長は、ポリエステル事業は同社の売上高の75％以上を占め、今年は製品の差別化を進めて業績拡大を図ると説明。環境配慮型繊維については、▽ナイキ▽アディダス▽Ｈ＆Ｍ──などからの需要増を受け、桃園市の平鎮、観音工場の生産ラインを刷新する。エンジニアリングプラスチック（ＥＰ）製品では、電気自動車（ＥＶ）向けを強化するため、ポリエステル系エラストマーの生産能力を拡大する方針だ。
呉董事長は、米中貿易戦争の影響に加え、原油価格の見通しもはっきりしないが、今年の景気について慎重ながらも期待していると述べた。
