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「総統府で1泊」、外国人観光客誘致で秘策


ニュース 社会 作成日:2019年5月30日_記事番号:T00083821

「総統府で1泊」、外国人観光客誘致で秘策

 動画投稿サイト、ユーチューブに28日、蔡英文総統が「総統府で一晩過ごしませんか」と呼び掛ける動画(https://www.youtube.com/watch?v=vJtP3lz_7Uw)がアップロードされた。これは総統府と交通部観光局、非政府組織(NGO)の中華文化総会が共同で実施する外国人観光客誘致キャンペーンの一環で、国家元首官邸での宿泊を開放する世界でも例を見ない試みだ。

/date/2019/05/30/19kakomi_2.jpgもしかしたら蔡総統の出迎えを受けられる?(中華文化総会ユーチューブより)

 同日午後に行われた記者会見で、林鶴明総統府報道官は、「今年は総統府(日本統治時代の旧台湾総督府)の落成100周年。これを機に(歴史ある)官邸での宿泊を外国人旅行者に開放することで台湾の国際的な知名度を高めたい」と説明した。

 また、総統府の宿泊客に国籍の制限は設けないと強調。「台湾に興味を持つ全世界の友人たちに、台湾の親しみやすさ、自由を体験してもらいたい」と語った。

 中華文化総会の李厚慶副秘書長は、「総統府で1泊」キャンペーンの詳しい申し込み方法について、8月に公開する予定だが、希望者が提出した台湾での旅行計画を基に審査を行い、現時点で1週間に1組、計20組を受け入れる予定と語った。審査方法について林報道官は、フェイスブック(FB)やユーチューブなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を台湾観光振興に役立つ使い方をする場合、「審査通過」に有利に働く可能性があると指摘した。

 なお、今回のキャンペーンに対し、一部旅行業者から、総統府は旅館・民宿業の免許を取得していないため「発展観光条例」に違反するのではないかとの指摘も上がっている。しかし観光局は29日、条例では旅館・民宿業は「営利目的で宿泊サービスを提供する者」と規定しているが、今回のキャンペーンは台湾観光のプロモーションが目的であり、営利目的ではないため違反しないと反論した。

 中国語ではホテルの最高級スイートルーム「プレジデンシャルスイート」のことを「総統套房」というが、今回のキャンペーンでは本物の「総統套房」に泊まることができる。興味のある方は8月の申し込み方法発表をお見逃しなく。