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プロ野球名門、味全ドラゴンズ復活へ


ニュース 社会 作成日:2019年6月3日_記事番号:T00083870

プロ野球名門、味全ドラゴンズ復活へ

 1999年に解散した台湾プロ野球のかつての名門チーム、味全龍(味全ドラゴンズ)が復活する。既にプロ野球団体、中華職業棒球大聯盟(CPBL)に加盟申請し、承認されており、今年から選手集め、トレーニングを始動させる。来年は2軍リーグを戦い、21年より1軍リーグに本格復帰する。

/date/2019/06/03/19kakomi_2.jpg葉君璋監督。日本ではドラゴンズといえば青色だが、台湾では鮮やかな赤がチームカラーだ(3日=中央社)

 味全ドラゴンズはCPBLが発足した90年に初代台湾一に輝いた後、96年から3年連続で優勝を果たすなど強豪球団として人気を呼んだ。しかし三連覇を果たした99年のシーズン終了後、親会社の味全食品工業を買収した頂新国際集団がチームを解散させる意向を表明した。

 これに対し所属選手が減給を受け入れてでもチームを存続させてほしいと願い出たり、ファンが解散を阻止しようと署名集めやデモを行ったが、頂新集団の意思は変わらず、その年で球団は消滅した。

 それから20年後の今年、頂新集団は5年前に明るみに出た不正食用油事件で低下した企業イメージを改善するため、ドラゴンズの復活を決定。5月13日にCPBLに提出した加盟申請が承認され、名門復活が現実となった。

 なおドラゴンズは、かつて同チームで捕手としてプレーし、昨年まで富邦悍将(富邦ガーディアンズ)を率いた葉君璋氏の監督就任を発表。さらに同じく球団OBで、通算安打、本塁打、打点でいずれも台湾プロ野球記録を保有するレジェンド、張泰山氏がコーチを務めることが決まっている。

 同チームは今後、7月1日に開催されるドラフト会議に参加して20人ほどの選手を獲得し、8月にトレーニングを開始。さらに今年のシーズンオフには既存の4球団から放出された選手4~8人、それ以外にも過去2年間に解雇された選手を獲得し、来年の春季キャンプまでに40人態勢とする方針だ。

 おととい1日には復活決定後、初めてのファンミーティングが彰化県で開かれた。張泰山氏や、かつてのエース、黄平洋氏がユニホーム姿で参加し、往年のファン762人が駆け付けた他、最高で13万人が同時にインターネット中継を見守り、根強い人気が残っていることがうかがえた。

 多くの球団が生まれては消えてきた台湾プロ野球界でも、一度解散したチームが復活するのは初めてだ。ちなみにドラゴンズ復活によってCPBLは5球団となるため、試合日程は変則的にならざるを得ず、この際、さらなる新球団の誕生を期待したい。