ニュース 社会 作成日:2019年6月4日_記事番号:T00083895
スターバックスといえば「おしゃれなカフェ」として世界的に知られるが、台北市南港区のこのほど閉店した店舗は、鉄製の波板張りの古びた建物を使用し、おしゃれとは程遠く、「台湾で最も醜いスターバックス」と呼ばれていた。
既にロゴは取り払われ、痕跡は残っていないという(グーグルマップストリートビュー)
南港区の南港路と三重路の交差点近くで2012年にオープンしたスターバックス南港三重店は、3階建ての建物の外壁をオフホワイトに塗り、セイレーン(人魚)をモチーフにした大きなロゴマークを壁面に掲げていた。
これだけを聞くと、他の店舗と変わらぬ雰囲気と思えるが、よく見れば老朽化が進み、痛みが激しいことは一目瞭然。さらに3階部分は屋上を鉄製の波板で囲み、無理やり増設した台湾の下町でよく見掛ける作りで、とてもおしゃれとは言い難かった。
しかも蘋果日報の記者が調べたところによると、この建物が登記されたのは1950年、すなわち69年前で、元々1階建てだったことが発覚。さらに登記書には「民国3年(1914年)に完成した」と記されており、事実とすれば築100年を超えることになる。
1階建てとして登記されているため、2階以上は違法建築ということになるが、台北市ではこうした物件があまりに多いことから「95年以前の違法建築は、安全性に問題がなければ取り壊さなくてもよい」と条例で定められている。このため、スターバックスは、改築を施せば「95年以降に建てられた」と判断される可能性を懸念して、外壁を塗り替えるだけにとどめたとみられる。
しかし、当局の目に留まらないようにと考えた措置だったにもかかわらず、同店は「最も醜いスターバックス」として話題を集める結果となった。
ただ、不動産業者によると同店舗の賃料は12万台湾元(約41万円)と周辺の店舗物件に比べ6万~8万元割高だったにもかかわらず、周辺に飲食店が数多く入居する「中国信託金融園区」がオープンしたことなどにより、客入りが芳しくなかったようで、5月28日にひっそりと閉店することになった。
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