ニュース 社会 作成日:2019年6月5日_記事番号:T00083918
台湾では死刑執行に銃殺刑が採用されている。死刑を執行する法警は、心理的負担が大きいことを理由に薬物注射による執行への変更を要望しており、今後、法務部で検討が進められる。
台湾の法律はかつて「死刑の執行は電気またはガスを用いるが、電気による処刑器具やガス室がない場合は銃殺刑を採用する」と規定されており、1991年の法改正で「薬殺刑または銃殺刑を採用する」と変更された。ただ、実際の死刑執行は一貫して銃によって行われている。具体的には、死刑囚に麻酔薬を注射して意識を失わせ、マットレスの上にうつぶせに寝かせた上で、執行人が心臓に向けて銃を発射、その後、医師が死亡の確認を行うという手順だ。
法警の要望を法務部に提出した台湾高等検察署(高検署)高雄検察分署の邱顕文副法警長は、銃殺刑は従来より、▽死刑執行人の心理的圧力が強過ぎる▽執行の際にトラブルが起きやすい▽執行に使用する銃が老朽化している▽死刑執行人を務める「二審法警」が不足している──など多くの問題があると説明。薬殺刑を採用すればこれらの問題を解決できると表明した。
死刑執行人を務める法警は訓練を受けているものの、実際の執行経験は少なく、高熱に見舞われたり、足がすくんで刑場に入れないケースや、死刑の執行を経験して以降、悪夢に悩まされる者もおり、ストレスの強さがうかがえる。そこで、法警の間では「刑場では同僚の名前を呼ばない」「執行後、紙銭(道教の儀礼に使用する疑似紙幣)を燃やす」などの習慣があるそうだ。
薬殺刑への変更が実現した場合、医師が薬物の注射を行うと考えられる。薬物注射による死は、安楽死のようなもので苦痛はなく、銃殺より人道的との声もあるが、ある医師からは「自身はやりたくない」との本音が聞かれた。
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