任天堂の台湾子会社、任天堂溥天は24日、家庭用据置型ゲーム機「Wii(ウィー)」を7月12日に台湾で正式発売すると発表した。価格は、コントローラー1組、人気ゲームソフト「Wii sports」とセットで8,500台湾元(約3万円)だ。しかし、日本での発売開始から1年半が経過しているため、▽平行輸入品との価格差がほとんどない▽操作画面が中国語化されていない▽インターネットにつなげない──などの問題点も指摘されており、台湾でも人気爆発となるかは未知数だ。25日付経済日報などが報じた。
Wiiの台湾での発売は当初、半年前に予定されていたが、商標ライセンスの問題から代理販売をめぐる争議が生じ、延期されていた。結局、任天堂本社は、博優と展碁国際(ウェブリンク・インターナショナル)の2社にWii代理販売権を与えることを決定した。
年内に10万台販売も
展碁の高念椿スポークスパーソンは、「並行輸入と値段の差はないが、『Wii sports』は日本では1,800元以上で売られており、正規代理店の商品にはアフターサービスと保証が含まれている」とメリットを強調する。また、博優の曽如玉董事長も、「発売がずいぶん遅くなったが、台湾での販売台数は年内に10万台を超える可能性もある」と自信を見せる。
展碁ではあす26日から台湾全土のセブン-イレブンで予約を開始し、7月12日からは燦坤3C、順発3C、全国電子(e-ライフモール)などの家電量販店や網路家庭(PCホーム・オンライン)、ヤフー!奇摩のオンラインショップでも販売する。博優は既存の販路に加え、全土の遠伝電信(ファーイーストーン・テレコム)や、その傘下の全虹通信(アルコア)の販売拠点で、遠伝の携帯電話契約とセットでの予約キャンペーンを実施する。
「平行輸入品の方がまし」
台湾版Wiiは、日本版とほぼ同じもので、操作画面は日本語となっており、「台湾版なのに利用者は日本人を想定している」との批判も挙がっている。また機能は、「似顔絵チャンネル」、「写真チャンネル」、「ディスクドライブチャンネル」の3つが搭載されるが、「Wiiウェア」、「テレビチャンネル」、「お天気チャンネル」、「バーチャルコンソール」などネットワークを利用する機能は搭載されていない。
聯合報によると、「機能限定版」となったことに対し、インターネット掲示板では早くも不満が出始めているという。また、「任天堂は台湾人を馬鹿にしている。長い間待たされたあげくネットワークにもつなげない商品を買わされるくらいなら、平行輸入品の方がましだ」と憤慨する人もいるようだ。
これについて展碁の高スポークスパーソンは、「インターネット機能は段階的に追加していく予定で、中国語版インターフェースもダウンロードできるようになる。まずは正規版が発売されることが重要」としている。
台湾では、既に平行輸入品が15万台以上販売されているとみられ、政治家などの有名人にもファンが多い。光華商場の業者によると、正式版発売後は平行輸入品を販売することはできないが、平行輸入品の相場は現在8,000~8,500元となっており、問い合わせも少なくないという。