ニュース 社会 作成日:2019年6月6日_記事番号:T00083949
若者でにぎわう台北市の繁華街、西門町(万華区)では、歩行者天国エリアに多くの露店が並んでいる。実はこのエリアは、露店の営業が禁じられているため全て違法だ。そんな中、どういうわけか「西門町の違法露店を撲滅する」と誓い、毎日のように「パトロール」しては警察に通報している38歳の男性がいる。
蘋果日報の記者が西門町の露天商に取材したところによると、もともとこの男性も同地で違法に露店を開き、アクセサリーなどを売っていたが、ある時、他の露天商とトラブルになった。これがきっかけで「パトロール」生活を始めるようになった。
男性は毎日のように西門町に「出動」し、わざと露店の商品を足で蹴ったり、客に「買わない方がいいよ」と勧めたりと、露店の商売を邪魔し続けている。このため、当然、エリア一帯の露天商を敵に回している。
男性が蘋果日報の記者に語ったところによると、男性は露天商たちからこれまで4度殴られ、証拠写真を写そうとしたスマートフォンを壊されたこともあったという。
ソーセージ屋台の女性店主が以前、「そんなことをしてちゃいけないよ。みんな金を稼がなきゃならないんだから」と言い聞かせたところ、男性は承知したようなそぶりを見せたものの、その後も変わらず「パトロール」を続けているという。
西門町では違法営業露店の取り締まり件数が、2017年の997件から18年には1,745件に倍増した。今年は早くも昨年通年の取り締まり件数に迫っている。人手不足の警察は、男性が通報が理由で殴られた場合、被害届を提出すれば対応すると説明した。
違法露店が摘発され、通りが歩きやすくなるのは西門町を訪れる人にとって良いことだろう。しかし、男性は本当に正義感でやっているのだろうか。社会的には弱い立場の露天商たちのほそぼそとした生計が奪われてしまうことは、必ずしももろ手を挙げて歓迎できない気がする。
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