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記事番号:T00084033
2019年6月13日15:55

 電子機器受託生産大手、緯創資通(ウィストロン)が、初の米国工場を設置する計画を明らかにした。サーバーやモノのインターネット(IoT)関連などハイエンド製品を生産する。米中貿易戦争で生産拠点の分散が迫られており、同業では鴻海精密工業、広達電脳(クアンタ・コンピューター)に続く米国進出となる。13日付経済日報が報じた。

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 林憲銘同社董事長は、米中貿易戦争の勃発当初はメキシコ工場で生産能力の7~8割を賄えると考えていたが、5月末にトランプ米大統領がメキシコへの制裁関税を発表したことでもくろみが崩れたと説明。関税は見送られたが、米国が再度発動にかじを切る可能性もあり、こうした懸念に対応するため米国工場設置を検討するに至ったと説明した。

 米国工場はパイロットプラントで、テキサス州ダラスか南東部で用地を借りて建設する。同社はダラスに従業員1,000人規模のアフターサービスセンターを構えている。新たな制裁関税問題が浮上する恐れがあるため、早くて3カ月以内の生産ライン設置を目指す。一般的なスケジュール6~9カ月の2倍以上のスピードとなる。

ノートPC、フィリピンで

 ウィストロンはまた、ノートパソコンの生産ラインの一部をフィリピンに移転する計画だ。今後、生産移転は東南アジアが中心で、全体を一つの地域とみて、一つの国・地域への集中は避ける。現在の中国・重慶市や江蘇省昆山市のようなクラスター形成は想定しない。

 林董事長は、主要顧客数社と協議した結果、3分の1に当たる米国の対中制裁関税の対象製品の生産を中国から移転すると説明。受注規模の小さい顧客の製品は、生産を台湾の新竹科学工業園区(竹科)やマレーシアに移転し、竹科工場は既にフル稼働と付け加えた。

/date/2019/06/13/00wistron_2.jpg林董事長は、生産移転でコストが上昇しているため、今年は設備投資額を昨年より抑えると表明した(12日=中央社)

生産拠点の分散進む

 受託生産業界で、生産拠点の分散を最も進めているのは最大手の鴻海で、生産能力の25%が中国以外の▽台湾▽米国▽日本▽インドネシア▽インド▽ベトナム▽タイ▽チェコ──など16カ国・地域にある。

 クアンタは米国のカリフォルニア工場、テネシー工場でサーバーを生産し、フル稼働となっている。台湾では林口(桃園市亀山区)の新工場でサーバーのハイエンド製品を生産。ノートPCの台湾生産回帰も計画している。

【表】

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