ニュース

記事番号:T00084059
2019年6月14日15:46

 沈栄津経済部長は13日、電子業界のハイエンド生産ラインの台湾Uターン投資に伴い、ローエンドを東南アジアに移転することに対しても支援を行う方針を示した。サーバーなど高付加価値製品を台湾で、ロー~ミドルエンドの消費者向け電子製品などを東南アジアで生産し、すみ分けを図る。14日付経済日報などが報じた。

/date/2019/06/14/01top_2.jpg

 沈部長は同日、米中貿易戦争の見通しと対策について台北市電脳商業同業公会(TCA)と協議した。出席したのは、▽広達電脳(クアンタ・コンピューター)の林百里(バリー・ラム)董事長▽和碩聯合科技(ペガトロン)の童子賢董事長▽神通資訊科技(マイタック・インフォメーション・テクノロジー)の蘇亮総経理▽光宝科技(ライトン・テクノロジー)の陳広中総執行長▽技嘉科技(ギガバイト・テクノロジー)の馬孟明副総裁──。クアンタとペガトロンは、それぞれ42億台湾元(約145億円)、149億元の台湾投資計画に対し、Uターン投資への優遇措置や支援が受けられる「歓迎台商回台投資行動方案」の適用が認められている。

 懇談会では産業界から、ハイエンド生産ラインを台湾に移管する代わりに、ローエンドは徐々に東南アジアに移転したいとの意見が上がった。沈部長はTCAに対し、会員企業のローエンド工場の移転先、必要となる用地面積、電力などを1カ月をめどに取りまとめるよう依頼した。経済部はこれに基づいて必要な支援計画を策定する。

 東南アジア移転に伴い、現地で電力が必要となることに対し沈部長は、台塑集団(台湾プラスチックグループ)傘下の台朔重工(フォルモサ・ヘビー・インダストリーズ、FHI)がフィリピンに発電所を建設したように、台湾から持っていくのも一案だと語った。

 ペガトロンの童董事長は、海外は文化、言語、法律が異なり、大企業は潤沢なリソースで対応できるが、中小企業は政府のサポートが必要と語った。これに対し沈部長は、経済部投資業務処や国際貿易局(国貿局)に支援計画を指示する他、現地の代表処や会計事務所に協力を依頼すると述べた。

新南向政策でも成果

 科技部は、米中貿易戦争は台湾にとってのチャンスだが、台商(海外で事業展開する台湾系企業)が高付加価値産業のサプライチェーンを台湾に移管しても、用地はともかく、労働力不足に直面するとの認識だ。

 ノートパソコン受託生産大手、クアンタの林董事長は以前、台湾では自動化できるところは全て自動化しており、これ以上の労働力が必要になれば、非常に難題だと語っていた。

 一方、ペガトロンの童董事長は以前、東南アジアは人口で中国に及ばない上、国民所得が大幅に上昇し、フィリピンで2,700米ドルと10年前の650米ドルの4倍、ベトナムは3,000米ドルと900米ドルの3倍など、人件費高騰も経営課題と指摘していた。

 政府は台湾と東南アジアへの生産移転をいずれも支援し、生産分野のすみ分けを図ることによって、台湾Uターン投資の促進と、東南アジアなどとの関係を強化する「新南向政策」を同時に推進できるメリットがある。

【表】

ニュース記事検索