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記事番号:T00084085
2019年6月17日15:49

 17日付経済日報によると、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、世界初となる5ナノメートル製造プロセスの2020年第1四半期の量産開始に向け、設備業者に今年10月までの納入を求めている。アップルが最初の5ナノ採用顧客になるとみられ、米中貿易戦争の中でも主要顧客からの受注を確保できる見通しだ。

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 TSMCの5ナノは、7ナノに比べて、半導体のロジック密度は1.8倍、スピードは15%向上する。第5世代移動通信(5G)や人工知能(AI)で必要とされる高速処理に対応した半導体の生産に不可欠で、同社の7ナノを採用する顧客の多くが5ナノに移行すると期待される。5ナノ採用製品は、南部科学工業園区(南科)のFab18で受託生産し、3次元(3D)立体構造トランジスタ(FinFET)技術を採用する。

 サプライチェーン関係者によると、アップルはTSMCの5ナノ採用を決定し、来年の量産を要請したとされる。中国が、米国の制裁関税への対抗措置としてアップルへの制裁を持ち出さなかったことも、決断を後押ししたようだ。設備業者は、TSMCの5ナノ計画進展は米中貿易戦争の影響を受けないと指摘した。

 一方、競合のサムスン電子は、アップルからの受注獲得も念頭に、3ナノで大幅な微細化を実現するゲートオールアラウンド(GAA)技術を採用して、21年に量産する方針を明らかにしている。

 これに対しTSMCは、5ナノで顧客を確保することで、将来の3ナノ量産の礎とする考えだ。業界関係者は、TSMCは3ナノの設計状況や量産開始時期を明確にしていないが、5ナノ生産で蓄積する経験は、3ナノでの早期の良品率向上に資するとして、サムスンがアップルやクアルコムなど主力顧客の受注をTSMCから奪うのは難しいと予測した。

 TSMCは4月、顧客とIC設計などの全面的な提携を進めるオープン・イノベーション・プラットフォーム(OIP)を5ナノ向けに対応させている。

設備・材料大手、台湾投資拡大

 TSMCの先進プロセス投資を好感して、▽アプライド・マテリアルズ▽ラムリサーチ▽関東化学▽RSテクノロジーズ▽ASMLホールディング▽メルク▽ダウ──など、世界的な半導体設備・材料の大手が台湾投資を拡大している。開発中の3ナノへの供給も見据えて設備業者や顧客などサプライチェーンの集結が進んでおり、台湾半導体業界の世界的地位をさらに押し上げると期待される。

 米中貿易戦争を受け、TSMCは中国の南京工場での生産拡大延期を表明したものの、今後も▽モバイル通信▽高性能計算(HPC)▽自動運転車▽モノのインターネット(IoT)──の四大分野を軸に、先進プロセス、特殊プロセス、技術サポートを強化する方針を示している。今後5年の設備投資は、年間100億~120億米ドルの高水準を維持すると表明しており、先進製造プロセス拡大の意思は揺るぎない。

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