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香港大規模デモ、台湾支援者も相次ぎ現地に


ニュース 社会 作成日:2019年6月17日_記事番号:T00084109

香港大規模デモ、台湾支援者も相次ぎ現地に

 香港で「逃亡犯条例」改正に反対する大規模なデモが続く中、台湾でもデモへの支援の声が強まっており、現地入りして取材や支援活動を行う若者も少なくないようだ。

/date/2019/06/17/19kakomi_2.jpg今立ち上がらなければ未来はないとの香港市民たちの思いが、台湾の若者たちの共感を呼んでいる(16日=中央社)

 政治大学でジャーナリズムやメディア学を専攻する台湾人学生のイアンさん(男性、21)と、マレーシアからの留学生、バレリーさん(女性、21)は先週12日、香港警察がデモ参加者に催涙ガスやゴム弾で制圧する映像を目にして、いても立ってもいられなくなり、すぐに香港行きの航空券を予約。9時間後には現場に到着した。

 2人が香港に到着した時、衝突が起きた金鐘(アドミラルティー)地区の情勢は沈静化していたが、現場には一部の若者が残り、クリスチャンが賛美歌を歌って支援していた。

 これを見た2人は、自分たちが見たこと、聞いたことを記録しようと考え、カメラを手に学生やクリスチャン、警察官などに取材を開始した。デモに参加した若者たちが皆、当局からの報復を恐れ、身元を隠すためにマスクを着用していたことから、白色テロ(政府による反体制派への政治的弾圧)の恐怖を強く感じたという。

 また、2014年に台湾で起きたヒマワリ学生運動に触発され、社会運動に関わるようになったという長庚大学の女子学生、張珮歆さん(女性)は、9日に香港でデモ隊と警察の衝突が発生した際、友人が警察に逮捕される光景をテレビで目にし、現地で応援しようと決意。すぐに香港へ向かった。

 張さんはその後、現地で応援するにはどうすればよいかとの問い合わせを多く受けるようになったことから、インターネット上にグループを開設。安全を考慮し、台湾人同士が連絡を取り合い、集まってデモに参加できるよう手配しており、同グループを通じてここ数日だけで100人近い台湾の支援者が現地入りしている。

 この他、香港のデモ隊の中には、中華民国の青天白日満地紅旗を掲げる人の姿もあり、彼らが「香港加油!(香港がんばれ!)」と叫ぶと、周囲のデモ参加者から「台湾加油!(台湾がんばれ!)」との声が上がった。

 なお、デモの激化を受けて香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は15日、「逃亡犯条例」の改正延期を表明した。しかし、改正案の撤回を求める民主派団体はこれに納得せず、16日のデモは200万人規模(主催者発表)に膨れ上がった。今回デモが続くか収束を見せるのかは不透明だが、中国政府による香港への圧力が続く限り、台湾からの支援はより力強さを増すはずだ。