ニュース 電子 作成日:2019年6月19日_記事番号:T00084137
華碩電脳(ASUS)はスマートフォン新旗艦機種「ZenFone6」の販売が、供給が追い付かないほど好調だ。第3四半期はゲーミング(ゲーム用)スマホ新機種の投入も控える。スマホを軸に、研究開発(R&D)の重点を、人工知能(AI)とモノのインターネット(IoT)を組み合わせたAIoTにシフトさせ、ゲーミング市場のパソコンからスマホへの移行に対応していく。19日付工商時報などが報じた。
施董事長(前中)。株主からは今後の展望や研究開発費用の問題などに質問が相次いだ(18日=中央社)
施崇棠(ジョニー・シー)董事長は、同社は「広き門」ではなく「狭き門」を通るとして、スマホ市場からの撤退はせず、ハイエンドユーザーやゲームユーザー向けに品質の高い製品を送り出していくと重ねて表明した。ゲーミングスマホ関連市場規模は、将来的にゲーミングPCを上回るとの見通しを示し、地ならしを進めていくとの方針を示した。
同社は、2018年第4四半期にスマホ事業の再建計画をスタート。仕切り直しのため、旧機種事業の損失62億台湾元(約210億円)を一括計上したため、同四半期は純損失28億1,900万元と、09年第2四半期以来の赤字に転落した。18年通年のスマホ事業の累計損失は121億元だった。
施董事長は18日の株主総会で、2年連続の業績不振を謝罪した。今後も赤字が続くスマホ事業の損失縮小に努めるとともに、PCとボード類で業界を上回る安定した成長を継続、ゲーミング事業では2桁成長を目指すと述べた。
供給追い付かず
「ZenFone6」は、5月中旬の欧州での発表後、6月初めには台湾でも発売され、供給が追い付かない状況だ。拡張現実(AR)での応用も見据え、技術的難度の高い回転式カメラを採用するなど技術力をアピールしている。
インドでも間もなく発売するが、デリー高等法院が「Zen」と「ZenFone」の商品名はインド企業の商標権を侵害していると判断したため、「ASUS 6 Z」の名称で販売する。施董事長は、訴訟は継続するとしながらも、インドでのスマホ販売は好調で、第1四半期のシェアは8%に上ったと明かした。
同社は第3四半期、ゲーミングスマホ「ROG Phone」の第2世代機種を投入する予定で、中国のモバイルゲーム大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)との提携が注目を集めている。
施董事長はまた、AIoTに関する新戦略事業経営委員会を設置したことを明らかにした。スマホ、PC、クラウドなど各事業でのAIoT活用を推進する。
ロボット部門解散か
19日付電子時報は観測として、同社は17年に発売した家庭用ロボット「Zenbo(ゼンボ)」の開発部門を解散し、人員の多くがAIoT関連製品の開発に移ったと伝えた。値下げや18年10月の商用向け「Zenbo Junior(ゼンボ・ジュニア)」投入にもかかわらず、販売が目標に届かなかったことなどが要因とされる。
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