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「総統選に出るのおかしい」、中学生が韓市長に直球発言


ニュース 社会 作成日:2019年6月20日_記事番号:T00084191

「総統選に出るのおかしい」、中学生が韓市長に直球発言

 高雄市で19日、模範的な学生の表彰式と韓国瑜高雄市長(国民党)との記念撮影会が行われた。その席で、来年1月の総統選挙への立候補を目指す韓市長に対し、中学3年生の男子生徒が面と向かって「出馬はおかしい」と批判し、「まるで『王様は裸だ』と指摘した子どものようだ」と話題をさらっている。

/date/2019/06/20/20kakomi_2.jpg市長選の公約は、多くが既に不履行確定か未着手のいずれかだ(中央社)

 この日、高雄市小港区の社会教育館で行われたイベントは、市内の学校の模範的な児童、生徒を表彰し、その一人一人と市長が記念撮影を行うというもの。市立中山国民中学(中学校)3年の男子生徒、呉さんは、道路を渡ろうとしていた高齢者を助けたことなどによって模範生に選ばれ、出席した。

 呉さんは韓市長と並んで記念撮影を行った後、彼の頭をなでようとした韓市長の手をかわし、韓市長を指さして「総統選に出るのはとてもおかしい」と言い放った。韓市長はすぐに呉さんの腕を押してステージから降りるよう促し、次の模範生を呼んだ。しかし呉さんはさらに「感情で理性を抑え込まないでください、目を覚ましてください」と訴えた。

 メディアの取材に応じた呉さんは発言について、「韓市長は市長選前に多くの公約を掲げ、任期末まで務めると言っていたのに、総統選に出るのは彼の名誉にとって良くないと考えたため」と説明した。

 一方、韓市長は「呉さんの発言は無礼と思うか」とのメディアの質問に「そんなことはない」と述べ、「15歳で勇気を持って自分の考えを口にした」とたたえる心の広さを見せた。発言内容についても「(市長就任半年で総統選を目指すことに)多くの高雄市民は心の中で矛盾を感じている思う」と率直に認めた。

 なお、呉さんの友人で、取材の場にいた小学生の女の子も、「高雄は全く『発大財』(繁盛、好景気を意味する韓市長のスローガン)とはなっていない」と満面の笑顔で韓市長に追い打ちをかけた。彼女も、韓市長にはまず市政の公約を実現してほしいとの立場で、「発大財」には違和感を抱いているという。

 子どもたちの実に率直な声に学識者からは、「韓市長は支持者に囲まれてばかりいて、すべきことが分からなくなっているのではないか」との指摘も出た。韓市長は今回の件を機に、理性に立ち返って自身にとって何が重要なのか改めて検討してもよいのではないだろうか。