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日本人女子大生殺害犯、収監最長の無期懲役囚に


ニュース 社会 作成日:2019年6月24日_記事番号:T00084241

日本人女子大生殺害犯、収監最長の無期懲役囚に

 1990年に台湾を1人で旅行していた女子大生(当時22)を殺害して逮捕され、無期懲役判決を受けた元タクシー運転手、劉学強受刑者は現在、服役期間が既に28年と仮釈放が認められる水準に達しているが、彼の親族が受け入れを拒否し続けているため、無期懲役囚の収監としては最長記録を更新したことが明らかとなった。

 お茶の水女子大学4年生だった被害者女性は90年4月に単身で台湾へ渡航。台北、台南を観光した後に訪れた高雄市で消息を絶った。予定日を過ぎても帰国しない娘の身を心配した母親は同月末に訪台し、交流協会(現・日本台湾交流協会)を通じて台湾警察に捜査を依頼した。

 捜査は難航したが翌91年3月、警察は当時、高雄市小港区に住んでいた劉受刑者を逮捕。劉受刑者が、高雄市内を歩いていた女子大生と出会い、1日観光案内をした後、自宅に泊め、寝ていた際にクロスボウで頭部を射抜いて殺害したと自白した。なお遺体は焼却され、頭と胴体がそれぞれ別々の場所に埋められた。その後発見された骨を鑑定した結果、被害者のものと確定した。

 同事件は日本でも大きな注目を集め、台湾の治安状況に風評が広まり、台湾を訪れる日本人観光客が大幅に減少する影響が出た。

 なお劉受刑者は裁判で死刑判決を受けたものの、精神異常が考慮され、無期懲役に減刑された。収監されたのは91年で、法改正前の規定に照らせば、10年間服役した時点(現行規定では25年)で服役態度などの評価を含む審査に合格した上で、親族が「同居同意書」に署名すれば仮釈放が可能となる。

 しかし親族は、劉受刑者の出所に恐怖と懸念を示し、一貫して同意書へのサインを拒絶している。さらに当局に対して「釈放する者が責任を負うべき」などと発言し、受刑者との関係を完全に絶ちたいとの意思を明確にしているという。

 一般的に仮釈放が認められた受刑者は、正式に刑期を終えたわけではないため、一定条件が定められた住居で生活し、保護観察を受ける必要がある。多くの場合、家族または社会福祉団体、寺院などから住居の提供を受けるが、劉受刑者は現時点で受け入れ先がなく、収監を継続する他ないようだ。