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半導体ウエハー、今年は需要期来ず


ニュース 電子 作成日:2019年6月26日_記事番号:T00084268

半導体ウエハー、今年は需要期来ず

 半導体用シリコンウエハーは、川下の半導体メーカーの在庫消化があと半年続くため、今年は例年の需要期である第3四半期の出荷が振るわないとの見通しが、業界世界3位、環球晶円(グローバルウェーハズ、GWC)から示された。今年は需要期が来ないことを意味する。GWCは今年の出荷量は面積ベースで昨年を下回るとみている。26日付経済日報などが報じた。

/date/2019/06/26/00gwc_2.jpg徐董事長は、新規投資については米中交渉などの状況を見極めた上で決定すると説明した(25日=中央社)

 徐秀蘭同社董事長は25日、半導体メーカーのシリコンウエハー在庫はこの第2四半期がピークで、消化には恐らく半年が必要との予測を示した。その上で、長期契約の顧客に対し、製品価格の引き下げは行わないが、出荷繰り延べや製品の調整には応じると説明した。顧客は大半が長期契約で、供給の9割以上を12インチ、8インチ製品が占める。徐董事長はまた、現時点でシリコンウエハーのスポット価格の下落圧力は過去半年と比べて大きいものの、同社は長期契約が中心のため影響は小さいと指摘した。

 ただ、出荷量は下半期に減少することで、通年でも前年比で減少すると見込む。それでも、高単価の12インチ、8インチ製品の占める割合が高まるため、売上高自体は昨年を上回るとみている。

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 証券会社は、業界首位・2位の信越化学工業、SUMCOは長期契約の期間が3年であるのに対し、GWCは1年で、来年の契約交渉で価格が引き下げられるかが注目されると指摘。引き下げを余儀なくされるとの見方が強いが、米中貿易戦争の動向次第で変わり得ると予測した。

合晶、12インチ参入

 同業世界6位の合晶科技(ウエハーワークス)も25日、顧客の在庫消化は第3四半期まで続くとの見通しを示した。

 ウエハーワークスは主にパワー半導体製造用の8インチ再生シリコンウエハーを主力としている。同日、来年第2四半期に龍潭工場(桃園市)に第2期インゴット製造・研究開発(R&D)センター、および初の12インチ生産ラインの設置を決定した。

 同社はGWCよりも長期契約顧客が少ないため、証券会社はスポット価格の変動による打撃が大きいとみている。

【図】