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「逃亡犯条例」デモ応援歌、香港・台湾音楽界共同制作


ニュース 社会 作成日:2019年7月1日_記事番号:T00084369

「逃亡犯条例」デモ応援歌、香港・台湾音楽界共同制作

 香港の「逃亡犯条例」改正反対の大規模デモを受けて、台湾でも「一国二制度」への拒否感が改めて強まる中、デモ参加者を支援しようと考えた台湾人音楽プロデューサーの呼び掛けにより、多くの台湾と香港のミュージシャンが参加して制作された応援歌のミュージックビデオ(MV)がこのほどインターネット上で公開され、話題を集めている。

/date/2019/07/01/19kakomi_2.jpgMV(https://www.facebook.com/watch/?v=2400565723363995)。台湾と香港の歌手たちが自由への希望を歌い上げた(フェイスブックより)

 今回、応援歌の制作を呼び掛けたのは、「台湾のグラミー賞」とも呼ばれる金曲奨(ゴールデン・メロディー・アワード)の受賞経験がある音楽プロデューサーの柯智豪氏。ある日、人気ロックバンド、董事長楽団(ザ・チェアマン)のボーカル、呉永吉氏らと食事をしていた際に、香港のデモについて話題が及び、デモ参加者を支援しなければならないとの意見で一致し、応援歌を作ることになったという。

 なお、きょう1日は香港の中国返還22周年に当たり、香港政府が記念式典を開催したが、これに合わせて「逃亡犯条例」改正に反対する勢力も大規模なデモを計画しており、柯氏はこのデモに間に合うよう、すぐに制作に取り掛かった。

 その後、呉氏が作曲、台湾と香港の作詞家、武雄氏と林夕氏の2人が共同で北京語と広東語からなる作詞を手掛けた『撐』(「支える」、「持ちこたえる」などの意)が完成。台湾から舒米恩(スミン)、滅火器(ファイヤーEX.)、香港から黄耀明(アンソニー・ウォン)や何韻詩(デニス・ホー)など著名なミュージシャン20組が柯氏の呼び掛けに応じてこの曲を歌い、発案からわずか2週間でMVができ上がった。

 その後、このMVが6月28日に董事長楽団のフェイスブック(FB)ページ上で公開されると、またたく間に情報が拡散され、あっという間に「シェア」が1,000件を突破。1日午後3時現在、再生回数は49万回に達している。また同ページのコメント欄には「台湾の友よ、ありがとう」といった香港人とみられるユーザーからの感謝の書き込みが数多く寄せられており、2014年に香港で起きた反政府デモ「雨傘革命」の学生リーダーを務めた1人、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏も感謝のコメントを残した。

 柯氏は、「芸能人が香港(のデモ)を支援すれば、中国共産党によって(同国での活動から)閉め出されることになる」としつつ、応援歌の制作について「しなければならないことをしようと思った」と語り、今後も新たな映像作品を制作し、香港にエールを送るつもりだと決意を述べた。