ニュース 社会 作成日:2019年7月4日_記事番号:T00084446
台湾プロ野球で6月に今シーズン前期優勝を決めたばかりのLamigo桃猿(ラミゴ・モンキーズ)が3日記者会見を開き、球団の身売りを目指すことを発表した。ラミゴは現在2連覇中で、人気、実力とも球界最高であるだけに衝撃が走っている。
ラミゴは桃園移転後、1試合の平均観客数を2,000人から7,000人に増やすことができたが、それでも赤字を埋めることはできなかった(3日=中央社)
大手靴ブランド、「ラニュー(La New)」(老牛皮国際)を親会社とするラミゴは、前身に当たるラニュー・ベアーズ時代の2006年にも球団を売却しようとしたが、引き受け手が現れず、身売りには至らなかった。
その後、台湾球界では毎年のように八百長が発覚し、多くの選手が永久追放となった他、ファン離れによる経営悪化から解散に追い込まれたチームもあり、球団数は6から4に減少。球団経営に対する大企業の関心は大きく低下し、ベアーズの売却はますます困難な状況となった。
そんな中、ベアーズは11年、本拠地を高雄市から桃園市に移し、チーム名を現在のラミゴ・モンキーズに改称。身売りをいったん諦め、球団経営に本腰を入れた結果、強豪チームに成長し、8年間で5回の台湾一を達成した。
台湾プロ野球界も、ここ10年は八百長問題が影を潜め、健全性を取り戻していることから、大手金融グループの中国信託金融控股(中信金、CTBCフィナンシャル・ホールディング)と富邦金融控股(富邦金)が相次いで球団を買収。さらに先ごろ、かつての名門チーム、味全龍(味全ドラゴンズ)が復活を決めるなど、再び盛り上がりを見せている。
しかしラミゴの劉玠廷総経理は記者会見で、03年に球団を引き継いで以降、年間約1億台湾元(約3億5,000万円)の赤字経営がずっと続いてきたと明らかにし、「中小企業がプロ野球チームを運営する時代は終わった」と力なく語った。
劉総経理は身売りの唯一の条件として「本拠地を変更しないこと」を挙げた。年内に売却先が見つからなければラニューが球団経営を継続するとも表明しており、桃園の野球の火が消えることは避けられそうだ。
今年で創立30年を迎えた台湾プロ野球では、大規模とはいえない多くの企業が球団を支えてきた。しかしこれからは、最低でも年間2億5,000万元とされる運営費用を支払える大企業のみが担っていくことになりそうだ。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722