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落雷年に100万回、専門家が対策呼び掛け


ニュース 社会 作成日:2019年7月8日_記事番号:T00084497

落雷年に100万回、専門家が対策呼び掛け

 台湾では年々、落雷発生数が増えており、中央気象局の統計によると昨年は約100万回にも上った。専門家は、市民が雷に撃たれて負傷したり、死亡したりする確率は今後も増加すると予測。一方、予報システムの構築など落雷による被害防止策はあまりにも手薄と警告している。

 台湾で稲光(雲放電)や落雷(対地放電)の観測が始まったのはわずか3年前。いわゆる「春雷」が発生した後、夏に入り上昇気流やヒートアイランド現象の影響を受ける9月にかけて稲光や落雷の発生率が高まるという。

 気象局の統計によると、昨年は年間に127万回の稲光、約100万回の落雷が発生した。台湾電力(台電、TPC)のモニタリングによると同年の落雷検知数は過去最多の3万8,000回余り。民間の気象情報会社、天気風険管理開発(ウェザーリスク・エクスプロア)によると、稲光が161万6,000回、落雷が16万7,000回余りと、統計により回数に大きな差がある。

 なお、ウェザーリスク社の統計を県市別に見ると、昨年、1平方キロメートル当たりの雷発生数が最も多かったのは嘉義市で131回だった。これに▽嘉義県、84回▽台南市、79回▽新北市、71回▽高雄市、68回──が続いた。

 気象局では観測設備の設置密度の向上に努めており、毎日予報を出して市民に注意を促している。しかし、落雷による被害防止対策は十分とは言い難く、桃園市では今月2日、大雨が降る中、工事現場で作業していた29歳の作業員が雷に撃たれて死亡した。

 警察の調べによると、作業員の近くで稲光に気付いた雇用主が慌てて近寄ってみると既に心肺停止の状態となっており、その後の検視で手にやけどの跡があったことなどから、雷が原因と判定された。

 なお専門家は、落雷被害を避ける対策として、屋外の場合は、▽稲光を見た後はすぐに水のある場所、開けた場所から離れる▽洞穴(自動車内も可)などに身を隠し、大きな木や東屋(あずまや)への避難は避ける(比較的高さのあるとがったものに落雷しやすいため)▽足の下にプラスチック製のものを敷き、頭を抱えてうずくまる▽雷を引き寄せる恐れがあるため携帯電話は使用しない▽気象情報を把握し、雷雨が予想される際はゴルフなどに出掛けない──など注意を呼び掛けている。

 また、屋内の場合は、▽雷雨が多い季節になる前に避雷針を点検する▽雷を引き寄せる恐れがあるため固定電話は使用しない▽雷雨が多い季節はできるだけ家電の電源ケーブルを抜くようにする(落雷で故障する恐れがあるため)──などの対策が推奨されるという。