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空の天使、問題発言で「墜落」


ニュース 社会 作成日:2019年7月9日_記事番号:T00084520

空の天使、問題発言で「墜落」

 台湾の空に大混乱をもたらした航空大手、長栄航空(エバー航空)の客室乗務員によるストライキは明日午前0時で終結する。本社前での座り込みや総統府前でのデモなどさまざまな抗議活動は注目を集めたが、労働組合幹部によるスト離脱者に対するいじめや、スト反対派の操縦士(パイロット)の機内食への異物混入を示唆する対話アプリ「ライン」の会話が流出し、波紋を広げている。

/date/2019/07/09/18eva_2.jpg客室乗務員のストでしわ寄せを受けた地上職員も多い。安全で安心できるサービスのため、社内の融和が求められている(7日=中央社)

 流出した画面によると、この労組幹部はラインで開設した「エバーエンジェル(天使)」というグループ内で、「自分たちは17日間も外で日に焼けたのに、獲得できたものはあいつらも得られる」と、ストを途中で離脱した組合員を批判。離脱者に対する批判攻撃を行うようメンバーに促した。

 さらに、ある操縦士の画像が投稿されるや、「アントレ(機内食)に混入しろ」と、客室乗務員としてあり得ない発言までした。この労組幹部は9日、一連の発言を認め、ジョークのつもりだったと謝罪した。

 この労組幹部は女性で、今回のストで度々発言を行い「主戦派」と目されていた人物。今年1月に明るみに出た、肥満の男性乗客に客室乗務員が排便時の介助を求められた事件では、乗客の尻を拭かされた当事者だった。トラウマ(心的外傷)のあまり活動に熱が入り、空の天使としての責務を忘れてしまったのかもしれない。

 今回の騒動では、別のスト支持派の操縦士もスト参加者に対して、「攻撃を受けたら名前を覚えておきなさい。後でスペシャルミール(特別機内食)を用意してあげましょう」などとフェイスブック(FB)上で発言したことも明らかになった。

 エバー航空は、安全を最優先にする立場から、この労組幹部を一時的に地上勤務とした上で調査を行う他、操縦士も飛行業務から外す方針を示した。2人の職場復帰は当分先のこととなりそうだ。