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スト破り批判の労組幹部、エバー航空が解雇


ニュース 運輸 作成日:2019年7月12日_記事番号:T00084596

スト破り批判の労組幹部、エバー航空が解雇

 航空大手、長栄航空(エバー航空)は11日、ストライキ期間中にスト破りをして職場復帰した労組員への脅迫や、操縦士(パイロット)の食事への異物混入を促すともとれる文言を対話アプリ「LINE(ライン)」の客室乗務員のグループチャットに書き込み、航空の安全に疑念を与えたとして、客室乗務員の労働組合理事の郭芷嫣氏(31)を解雇処分とした。12日付蘋果日報が伝えた。

/date/2019/07/12/13eva_2.jpg労組は郭氏の復職に向けて協力すると表明した。エバー航空の決定の妥当性は議論が分かれるところだ(11日=中央社)

 郭氏は、スト抜けした者は「ひどい目に遭わせる」、ストに反対した操縦士の「食事に異物を入れる」ととれる発言をグループチャットでしたことが問題となり、会社側は郭氏に地上勤務への異動を命じた上で、警察にも告訴していた。

 同社ではスト擁護派の操縦士が、フェイスブック(FB)でスト参加者に対し「攻撃者のことは覚えておきなさい。後でスペシャルミール(特別機内食)を届けてあげよう」などと書き込んだことで免職になっており、ストに関連する言動で解雇された従業員は2人目となった。

 同社は郭氏について、「副事務長という要職にありながら、航空の安全を軽視し、乗客、操縦士、社員に不安を感じさせた他、民用航空法や刑法にも違反した」と処分理由を説明した。

 客室乗務員が加入する労働組合、桃園市空服員職業工会(桃空職工)は郭氏への処分に対し、「個人的な言動に対する過度のチェックと誇張があり、従業員の言論の自由やプライバシーを制限するものだ」と反発した。

 郭氏の免職処分は、同社の労使関係を再び悪化させる可能性がある。労使は3年以内に労働争議を行わないとする団体協約を結んでいるが、組合側は労働部が今回の処分を不当労働行為と判断すれば、ストを行うことが可能との認識を示している。