ニュース 社会 作成日:2019年7月18日_記事番号:T00084706
台風5号(アジア名・ダナス)の接近に伴い、台風警報が発令される中で、海難救助などを行う海巡署を管轄する海洋委員会(海委会)が18日、同会のフェイスブック(FB)に「あなたを助けない」と大きく書かれた画像と警告文を投稿したことが、議論を呼んでいる。
海委会の注意喚起メッセージは、反論を招いたことで、かえって多くの人が目にする結果となった(海委会FBより)
台湾では近年、台風が接近するたびに危険を冒して大きくうねる波の様子を見物に出掛ける市民が後を絶たず問題となっている。こうした状況を背景に、海委会が今回投稿した警告文は人気テレビドラマ『我可能不会愛你(僕は君を愛さない、邦題:イタズラな恋愛白書)』のタイトルをパロディー化したもの。コメント欄では砕けた文体で「海上台風警報発令後に海岸に行って、波を見物したり、船に乗ったり、サーフィンをしたりするようなばかげた行為は決してしないで」と呼び掛けた上で、「どうしても行きたい場合は、自分で納骨堂のスペースを準備し、妻に別れの手紙を書いて」と要請した。
さらに「海巡署の職員は(海岸に出掛けた者に)立ち去るよう勧告する責任や、(指示に従わない者を)処罰する権限を有するけれど、事故が起きた場合、海の状況が悪ければ救助しない可能性もある」、「われわれにも家族がある」などと書き込み、用もないのに海に近づかないよう訴えた。
この書き込みはインターネット上で大きな議論を呼んだ。多くのネットユーザーは「ばかが命をおもちゃにする行為に、他人が犠牲になる必要はない」など海委会のメッセージに賛同を示しているが、サーフィン愛好者などからは「自分たちは命をおもちゃになどしていないし、違法行為も行っていない。国家機関がなぜこのような偏見に満ちたメッセージを発表するのか」と強い不満の声が上がった。
これを受けて海委会は「船に乗ったり、サーフィンをしたり」の部分を「鍋を食べたり、夕日を見たり」に修正した。
この他、海委会のメッセージに対し「ふざけ過ぎ」「救難の責任を放棄すべきではない」「『助けない』ではなく『助けられない』とすべき」といった批判も出た。海委会は「毎年のように遺憾な事故が発生する中、ユーモアを交えて市民の注意を引こうとしただけで、不適切ではない」と主張。海巡署も「救助隊員は自身の安全を確保した上で全力を尽くす。救助対象を差別することは絶対にない」と釈明した。
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