ニュース 電子 作成日:2019年7月24日_記事番号:T00084782
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が関係筋の話として伝えたところによると、米アップルは、米インテルのスマートフォン用モデムチップ部門の買収に向けて詰めの協議に入っており、1週間以内にも合意に至る可能性がある。その場合、第5世代移動通信(5G)関連技術獲得により、2020年とされる5G対応スマホ「iPhone」発売に向けて大きく弾みがつく。ファウンドリーの台湾積体電路製造(TSMC)など台湾サプライチェーンが恩恵を受けそうだ。一方、アップルへの5Gモデム供給を狙っていたIC設計の聯発科技(メディアテック)は受注の可能性が薄れる。24日付経済日報などが報じた。
インテルは4月、5Gモデムチップの開発中止を表明していた。関係筋によると、アップルは10億米ドルを投じてインテルから特許や人員を取得するとされる。
証券会社は、アップルによる5G強化によって、TSMCが最大の恩恵を受けると指摘した。統一証券投資顧問の黎方国董事長は、TSMCはスマホ用チップ大手4社の▽米クアルコム▽インテル▽メディアテック▽中国・華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)傘下の深圳市海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)──の全てから受注を得ていると指摘した。
この他、▽半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)の日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)▽京元電子(KYEC)▽パワーアンプ(PA)の穏懋半導体(ウィン・セミコンダクターズ)▽プリント基板(PCB)の欣興電子(ユニマイクロン・テクノロジー)▽景碩科技(キンサス・インターコネクト・テクノロジー)──も恩恵を受けそうだ。
5Gと4Gの端境期でスマホ需要が伸び悩む中、5G対応iPhone登場は買い替え需要を大きく喚起すると期待されている。香港の中信里昂証券(CLSA)によると、5G対応スマホ出荷台数は、19年の2,500万台から20年に2億7,300万台、21年には5億4,200万台へと大幅に増加する見通しだ。
来年はクアルコムモデム採用か
黎董事長は一方、20年発売とされる5G対応iPhoneにはインテルの5G技術は採用されず、知的財産を巡る訴訟でアップルと4月に和解した、クアルコムの5G対応ベースバンドプロセッサー(モデムチップ)が搭載されるとの見方を示した。アップルがインテルから取得した関連技術や特許を自社製品に応用するのは21年になるとの予測を示した。
現在、iPhone最新機種の4G対応モデムチップは、インテルが独占供給している。アップルは、クアルコムと係争関係に及んだことから、旧機種で単独使用していたクアルコムから切り替えていた。
証券会社は、アップルとクアルコムの和解に続き、アップルによるインテルのモデムチップ部門買収が実現した場合、アップルによる半導体自主開発率が高まり、メディアテックに不利になると指摘した。韓国・サムスン電子やファーウェイも自主開発を強化しており、IC設計市場でのメディアテックのシェアが低下する恐れがある。
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