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国安局職員、過去にもたばこ密輸


ニュース 社会 作成日:2019年7月24日_記事番号:T00084805

国安局職員、過去にもたばこ密輸

 国家安全局(国安局)の職員が蔡英文総統の外遊を利用し、大量の免税たばこを不正に持ち込もうとして摘発された密輸事件で、過去にも同様の行為を繰り返していた疑いが強まり、検察当局はたばこの調達役を務めてきた呉宗憲容疑者(少校=少佐に相当)ら2人を拘束した。24日付聯合報が伝えた。

/date/2019/07/24/18tabacco_2.jpg林佳龍交通部長は、中華航空に対して過去にさかのぼって問題を明らかにするよう指示したと表明。同社に対する責任追及には上限がないと強調した(23日=中央社)

 調べによると、たばこの密輸は国安局で長年にわたり行われており、過去の総統外遊時に少なくとも3回の密輸が行われていたことが分かった。

 呉容疑者は検察当局に対し、たばこの購入者50人のリストを提出したもようだ。リストには総統府、国家安全会議(国安会)の関係者、外部の主婦などが含まれているとされ、今後捜査対象が広がりそうだ。

 免税たばこの調達には中華航空(チャイナエアライン)の関係者が関与していたとされるが、24日付自由時報によると、中華航空関係者は密輸行為が馬英九政権下の2014年から行われており、5年間の間に密輸規模が膨らんだと証言した。

 中華航空関係者によると、馬政権下で14年1月の外遊時に密輸されたのは288カートンだったが、16年3月の外遊時には3,677カートンが持ち込まれたという。蔡政権発足後も外遊のたびに密輸が繰り返され、過去の外遊時の密輸規模は16年6月に342カートン、17年10月に2,240カートン、18年4月に2,474カートン、今年3月に6,856カートン、今回の外遊では過去最多の9,274カートンに達したという。

 聯合報によると、総統府関係者は「今回の問題は李登輝政権時代にまでさかのぼる」と語った。

 蔡総統は23日、安全保障上の配慮が必要な場合を除き、今後の訪問団には一般旅客と同様の安全検査と通関手続きを受けさせるよう指示。フェイスブック(FB)で「悪習を厳しく検討し、全面的に引き締めと改善を図る」と表明した。

 なお、事件を巡って辞任した彭勝竹国安局長の後任として、総統府は24日、国軍退除役官兵輔導委員会(退輔会)の邱国正主任委員を充てる人事を発表した。