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アップルの対中関税免除申請、台湾勢に恩恵


ニュース 電子 作成日:2019年7月25日_記事番号:T00084808

アップルの対中関税免除申請、台湾勢に恩恵

 米通商代表部(USTR)が公開した資料によると、アップルがデスクトップパソコン最上位モデル「Mac Pro(マックプロ)」の中国製部品について、制裁関税の免除を申請した。認められれば、対象となるアルミニウム筐体(きょうたい)のサプライヤーの可成科技(キャッチャー・テクノロジー)や、電源の台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)に恩恵が見込まれる。両社は技術力が高く、代替品の調達が不可能であることを示している。25日付経済日報が報じた。

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 アップルの申請書類は18日に公開され、現在は審査前の意見公募が行われている。Mac Proと明記はされていないが、機能やサイズから今秋発売予定の新モデルと推測される。Mac Proは現在、アップルの主要製品で唯一米国内で組み立てられているが、新モデルは中国で広達電脳(クアンタ・コンピューター)が組み立てを担うと観測されている。

 免除申請されたのは、25%の対中制裁関税が課せられている▽アルミニウムとステンレスの筐体▽電源▽内部の電線▽プリント基板(PCB)──を含む重要部品だ。このうち、アルミニウム筐体はキャッチャー、電源はデルタが傘下の中国工場で生産している。

 業界は、アップルは対中制裁関税によって生産コスト上昇に直面し、販売価格への転嫁を迫られ、サプライヤーは値下げ圧力を受けていると分析。また、販売価格を値上げすれば、売れ行きに打撃を受けるとみている。免除が認められれば、キャッチャーとデルタはこうした圧力から免れる見通しだ。

 アップルのMac Pro部品に対する要求は非常に高く、キャッチャーとデルタは強度や耐久性といったハードルをクリアしている。米国は中国からしか調達できないことを対中制裁関税の免除条件としており、アップルの免除申請から、2社が技術力に優れ、代替の効かないサプライヤーとしての地位にあることがうかがえる。

アップル、関税対策に注力

 アップルはMac Pro本体の他に「Magic Mouse(マジックマウス)」や「Magic Trackpad(マジックトラックパッド)」、USB充電ケーブルといったアクセサリーの制裁関税免除申請も行った。

 また既に、腕時計型ウエアラブル(装着型)端末「Apple Watch(アップルウオッチ)」やワイヤレスイヤホン「AirPods(エアポッド)」の部品で免除措置を受けるなど、対中制裁関税への対策に注力している。

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