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機械輸出の成長率、5%以下に下方修正


ニュース 機械 作成日:2019年7月26日_記事番号:T00084833

機械輸出の成長率、5%以下に下方修正

 機械業界団体の台湾機械工業同業公会(TAMI)は25日、機械輸出額の今年の成長率見通しを前年比5%以下へと、従来の5~10%から下方修正した。米中貿易戦争による打撃が依然見込まれるためだ。ただ下半期からメーカーの東南アジアやインドへの生産移転による設備投資需要が増え、通年でのプラス成長は維持できると予想した。26日付経済日報などが報じた。

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 柯抜希TAMI理事長は、米中貿易戦争が機械業界に与える打撃は、2008年の世界金融危機当時と同じくらい深刻で、機械メーカーの一部で「4日勤務・3日休暇」による労働力の調整が行われていると指摘した。米中貿易戦争は一時休戦状態にあるものの、企業の景気見通し好転までにはもう少し時間がかかるとみている。ただ、機械の上半期輸出額は128億1,000万米ドル、前年同期比の減少幅が5.9%と、1~5月の6.2%より縮小しており、谷底は過ぎたとの認識を示した。

 またメーカーが米中貿易戦争を受けて、東南アジアやインドで中国に替わる新たな生産拠点設置を加速しており、機械需要は下半期から回復し、今後長期間にわたり商機が期待できると強調した。この他、機械設備の自動化、スマート化などによる需要拡大も依然続いていると説明した。

新南向対象国進出を後押し

 TAMIは生産移転に伴う商機獲得に向け、11月にインドとベトナムへ視察団派遣を予定している。さらに、両国を含む新南向政策の対象国での台商(海外で事業展開する台湾系企業)の工場設置に協力すべく、台商専用工業団地や機械産業団地の設置を経済部と進めていく方針だ。

 台湾域内では、機械メーカーのUターン投資需要から、嘉義県の馬稠後産業園区での用地獲得に向けて翁章梁県長と23日に面会。8月には韓国瑜高雄市長と面会し、仁武産業園区への機械メーカー誘致を要請する。

機械生産額、ほぼ横ばい

 TAMIは、機械業界の今年の生産額見通しは1兆2,000億台湾元(約4兆2,000億円)余りで、前年の1兆1,800億元から小幅な増加にとどまると予測した。政府の推進する「5プラス2産業創新政策」の重点産業にスマート機械が指定され、2017年に機械業生産額が1兆元規模となって以降、毎年1,000億元ずつ増加すると見込んでいたが、達成は困難な状況だ。

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