ニュース 電子 作成日:2019年7月29日_記事番号:T00084857
液晶パネル大手、友達光電(AUO)は26日、初の台湾でのハイエンド車載用パネル生産を含む407億台湾元(約1,400億円)規模の投資計画が、政府のUターン投資促進プラン「歓迎台商回台投資行動方案」の承認を受けたと発表した。米中貿易戦争の他、自動車向けパネル需要の大幅成長が視野にある。27日付経済日報などが報じた。
同投資計画では他に、桃園市と台中市の既存工場にスマート生産ラインを導入し、ゲーミング(ゲーム用)モニター向け、大型パネルなどの高付加価値製品を生産する。就業機会600件創出を見込む。
AUOの彭双浪(ポール・ポン)董事長はこれまでに、米中貿易戦争への対策として台湾生産比率を高める必要があるとして、台湾にハイエンド製品の生産を移転し、商業用、産業用、車載用など成長分野のモジュール生産能力を拡大する考えを示していた。
AUOは、インストルメントパネル(インパネ、計器盤)用とコンソール用を一体型した車載用パネルの他、インパネ用とコンソール・助手席用の複数パネルを組み合わせた大型曲面ディスプレイなど、ハイエンドの車載向けパネル技術を有している。自動車のスマート化で、車載用パネル需要の大幅拡大が見込まれる。
経済部は、米中貿易戦争でサプライチェーン再編が進む中、台湾の電子大手10社によるハイエンド製品の生産回帰に続き、大型薄膜トランジスタ(TFT)液晶パネルで世界4位のAUOが▽スマート製造▽技術イノベーション▽実地応用──の3本柱で台湾生産比率を高めることは、台湾ディスプレイ産業の高度化と構造転換を促進し、台湾の世界的地位の向上につながると指摘した。
経済部によると、台湾のパネル年産額は1兆4,000億元で世界2位。電子大手10社とは、▽広達電脳(クアンタ・コンピューター)▽仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)▽英業達(インベンテック)▽緯創資通(ウィストロン)▽和碩聯合科技(ペガトロン)▽光宝科技(ライトン・テクノロジー)──などを指す。
年間目標5千億元、来週にも達成
AUOの投資額407億元は、米中貿易戦争を受けて今年1月にスタートした、経済部が主導する投資台湾事務所(インベスト台湾)による台商(海外で事業展開する台湾系企業)Uターン投資促進プラン「歓迎台商回台投資行動方案」で、ある大手電子メーカー(社名は非公表)の547億元に続く、2番目の規模だ。
インベスト台湾は同日、AUOの他に、台商4社の合計約41億5,000万元の投資計画を承認した。内訳は、▽コンタクトレンズの望隼科技(ビジョン・フォーカス)、投資額16億元▽金属精密部品加工の時碩工業(グローバル・テック・ファブリケーション)、11億元▽ハイテクポリエステル製品大手、約9億元▽友訊科技(D-リンク)出資のネットワーク機器メーカー友勁科技(カメオ・コミュニケーションズ)、5億5,000万元──。4社合わせて700件余りの就業機会創出を見込む。
年初来の承認件数は既に98社、計4,973億元に達し、約4万3,500件の就業機会創出が見込まれる。審査待ちは約50社に上り、5月に5,000億元に引き上げた年間目標額を来週にも達成する見通しだ。
インベスト台湾の張銘斌執行長は、目標額達成だけでなく、実際の投資状況の把握にも注力すると説明した。年内に実行される投資額は約1,600億~1,800億元とみられている。
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