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作成日:2008年7月1日_記事番号:T00008490
観光局サイト、「中国に迎合」批判が殺到
中国人観光客の本格受け入れを控え、交通部観光局の中国語簡体字版サイトから台湾の国家主権にかかわるの国号、国旗などが消え、中国への行き過ぎた配慮、迎合だとして批判を浴びている。30日付蘋果日報が伝えた。
同サイトの英語版、日本語版、韓国語版には全て中華民国という国名や国旗が掲載されているが、簡体字版からは外されているという。台北市も首都ではなく「最大都市」と表記されている。
民進党の翁金珠立法委員は「国格をおとしめるにもほどがある。いったいどこの国の観光局なのか。台湾は地方政府に成り下がってしまった」と観光局の対応を批判した。
これに対し、観光局の蔡明玲企画組長は「簡体字サイトは台湾の観光名所を紹介し、大陸観光客を誘致するのが重要なことだ」として、国名や国旗の掲載は必要ないとの認識を示した。
陽明大哲学研究所の洪裕宏教授は、「中台交渉で国名などデリケートな議題を避けるのは構わないが、政府のウェブサイトから国名を外すのはやりすぎだ」と指摘。
政治大学社会学部の顧忠華教授は、「このままでは台湾は中国化されてしまう。大陸観光客を受け入れる際には台湾の風土だけではなく、政治的民主化の様子を見てもらうことも大切だ」と話した。