ニュース 社会 作成日:2019年7月30日_記事番号:T00084906
フィットネスブームで多くの市民が通うスポーツジムで昨年、痛ましい事故が起きていたことが明らかになった。トレーニング中に落とした70キログラムもあるバーベルに頸部(けいぶ)を圧迫され、16分間誰にも発見されず、植物状態になってしまったという。
台中市の27歳の男性は昨年4月の日曜日、女性の友人と朝早くからスポーツジム大手「ワールドジム」の台中西屯店でトレーニングをする約束をしていた。友人より早く到着した男性は、先に1人でトレーニングを始めることに。男性は同ジムの会員でトレーニング歴も長かった。
シャフトと呼ばれる横棒の両端に重りの付いた「バーベル」を仰向(あおむ)けの姿勢で持ち上げる「ベンチプレス」のトレーニングを始めてから6分ほど経過したころ、男性は手を滑らせてバーベルを落としてしまう。運悪くシャフトの部分が頸部を圧迫するように落ちたため、男性の首には70キロもの重量がのしかかった。抜け出せないまま呼吸が困難になり、意識が朦朧(もうろう)、助けを呼ぶこともできない。午前7時半と利用者が少なかったこともあり、従業員を含め、誰にも気付かれないまま時間が流れた。
事故発生から16分後に友人が到着。男性の異変に気付き、急いで助けを求め、他の利用者とともに何とかバーベルを取り除いたが、男性は既に心肺停止の状態だった。病院に搬送され、一命は取り留めたものの、脳へのダメージが大きく、意識が戻らないまま施設で暮らしている。
台中地方検察署は、当時店内にいたトレーナーと接客担当者2人、店内にはいなかったが監督責任のある店長の計4人を過失致重傷害罪で起訴した。調べによると、担当者は当時、店内巡回を怠っていた。監視カメラに死角はなく事故状況が記録されていたことから、適切に巡回やモニター監視をしていれば防げた事故だった。
ワールドジムは蘋果日報の取材に対し、係争中の案件のためコメントを控えるとした他、起訴された4人の従業員が在職中かどうかについても回答できないとした。
専門家は、ベンチプレスやパワーリフティングといったウエートトレーニングは危険性が伴うため、専門のアシスタントがそばにいる必要があると注意を促した。アシスタントのいない場合には、機械にバーベルが取り付けられた安全性の高い「スミスマシン」を使うことで、事故を防げるという。
ジムでのトレーニングでは、ついつい周りに見栄(みえ)をはって、無理をしてしまうことはないだろうか。自分の体力に合った方法で安全に行いたい。通うジムの安全対策のチェックも忘れるべきではないだろう。
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