ステンレス鋼管大手、允強実業（ＹＣイノックス）は、トルコのイスタンブール近郊のコジャエリ県の工業団地に新工場（総面積１万7,000坪）を設置する。投資額は6,500万米ドル。同社初の海外生産拠点となり、年内の着工、2020年末までの稼働開始を見込む。31日付工商時報などが報じた。
詹烈麟副総経理は、世界各地で反ダンピング（不当廉売、ＡＤ）税課徴の動きが出るなど貿易障壁が高まる中、トルコも以前台湾製ステンレス鋼管に対するダンピング調査を行っていたと指摘。現在は台湾メーカーから原材料を調達してトルコ向けに輸出しているが、関税負担がコスト増につながっているため、現地に工場を設置することに決めたと説明した。
同社は、新興市場として工業発展が進むトルコ国内向け需要を好感している。新工場は、当社は主にトルコ国内向けに供給するが、稼働が軌道に乗れば２期拡張を検討し、欧州連合（ＥＵ）向けに供給することで競争力強化を狙うとの考えを示した。
同社は現在、彰化県と雲林県に工場計４基を擁する。ステンレス鋼管の月産量は１万1,500トン、ステンレス厚板・薄板は２万トン。
