ニュース 商業・サービス 作成日:2019年8月2日_記事番号:T00084957
2日付中国時報などが観測として報じたところによると、中国当局は9月にも、中国人観光客の台湾団体旅行の割り当て人数を半分に削減する見通しで、一部業者は12月には全面停止に至るとみている。今月1日からの個人旅行許可の発給停止に続く措置となる。観光産業など台湾経済に打撃を与え、来年1月の総統選挙で民進党から国民党への政権交代を促すことが中国側の狙いとみられる。
邱副主任委員は、台湾が同様の対抗措置を取ることはないと説明。団体旅行割り当ての削減については未確認とコメントした(1日=中央社)
旅行業界関係者によると、中国の複数の省レベルの旅遊局(旅行局)は1日、業界に団体旅行の割り当て縮小があり得ると通知した。今日2日か来週にも割り当て人数が通知される見通しだ。
台湾の業界団体、中華民国旅行商業同業公会全国聯合会(旅行業全聯会、TAAT)の蕭博仁理事長は、一部の省では団体旅行の割り当てが現在の半分の月間500人以下になることもあり得るとの見方を示した。静宜大学観光学系の黄正聡副教授は、中国人訪台者は月間延べ19万人へと現在の24万人から2割減少すると予測。通年で昨年水準にとどまるとの見通しを示した。
中国人訪台者は今年上半期、中国が年初に団体旅行割り当ての削減を解除したことで3割近く増加していた。
中国は近年、団体観光旅行の割り当て人数の調整を、台湾に圧力をかける手段として利用している。2016年2月、総統選挙での民進党の蔡英文氏当選を受けて、中国は割り当て人数を3割削減したと伝えられた。さらに、蔡氏の総統就任後の7月と10月にはそれぞれ半分に削減したとされる。しかし、実際の削減幅は7割に満たなかったもようだ。
個人旅行、11月にもゼロに
台湾の蘇貞昌行政院長は、中国の個人旅行許可発給停止が伝えられた1日、今年通年の訪台旅行者数は全体で延べ1,130万人以上を目標にすると述べた。交通部が設定した「目標1,160万人、挑戦1,200万人」を下方修正したと一部で受け止められている。
大陸委員会(陸委会)の邱垂正副主任委員は同日、8月から中国人の個人旅行者が減少し、11月にもゼロになるとの見通しを示した。台湾側が中国人旅行者に発給する渡航書類「台湾地区入出境許可証(入台証)」の有効期限が3カ月のためだ。入台証の申請には、中国側が今回発給を停止した個人旅行用の渡航許可(G簽注、有効期限6カ月)などが必要で、7月末の取得であれば、来年1月末が有効期限だ。
中国人の台湾個人旅行は、11年から一部都市の住民に対し開放され、今年7月末時点では対象が47都市の住民に拡大されていた。
中国、政治的意図を明言
中国・国務院台湾事務弁公室(国台弁)の馬暁光報道官は同日、民進党政権が台湾独立活動を続け、大陸(中国)への敵意と両岸(中台)対立を扇動しており、大陸住民の台湾個人旅行の基礎と条件が失われたと発給停止の理由を説明した。
これに対し邱副主任委員は、政治的理由で両岸市民の正常な往来に干渉するのは粗暴だと反論した。
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