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記事番号:T00085009
2019年8月6日15:49

 中国人民元と台湾元が対米ドルで急落している。中国を生産・輸出拠点とする台湾の電子機器受託生産大手は、トランプ米大統領が第4弾の対中制裁関税発動を表明した中、為替差益による打撃緩和に期待が持てる。一方、華碩電脳(ASUS)、宏碁(エイサー)などのブランド企業は中国事業の減益要因となり、明暗が分かれる。6日付経済日報などが報じた。

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 第4弾ショックは世界の外為市場を揺さぶり、人民元は5日、1米ドル=7.0352元と11年3カ月ぶりに7元台に下落、台湾元も1米ドル=31.628元と2年半ぶりの安値となった。

 ノートパソコン受託生産最大手の広達電脳(クアンタ・コンピューター)は「取引は米ドルだが決算書は台湾元ベースで作成する。台湾元下落で為替差益が得られる」と通貨安を歓迎。中国で支払う水道料金や電気料金、従業員の給与も、人民元下落で恩恵を受けると説明した。

 受託生産大手は同社の他、▽鴻海精密工業▽和碩聯合科技(ペガトロン)▽仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)▽緯創資通(ウィストロン)──が取引に主に米ドルを使用しており、台湾元換算で利益が拡大する。証券会社によると、台湾元が1%下落した場合、電子メーカーの粗利益率は0.5~0.7ポイント上昇する。鴻海は人民元の3%下落で、営業利益率が0.15ポイント上昇するという。

 ただ英業達(インベンテック)は、北京小米科技(小米、シャオミ)など中国大手ブランドの大口顧客を抱え、人民元での取引が比較的多い。同社は5日、人民元安で為替差損が見込まれるものの、台湾元安による差益で相殺されると説明した。

 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)も、受注は米ドル計算のため台湾元換算での今季売上高が増加する。

 部品メーカーでは、▽プリント基板(PCB)大手の臻鼎科技(ZDT)、健鼎科技(トリポッド・テクノロジー)▽金属筐体(きょうたい)大手の可成科技(キャッチャー・テクノロジー)──なども好影響を受ける見通しだ。

ASUS・エイサーは打撃

 一方、ASUSとエイサーは、中国市場で人民元で製品を販売する一方、サプライチェーンへの支払いは米ドルのため負担が増える。ASUSは5日、為替動向に注視すると表明した。9日の業績説明会で見解と対応策を説明するとみられる。

 市場関係者は、ブランド各社は現地販売価格の引き上げや、販売業者との利益分配交渉で為替変動に対応すると予測した。

【表】

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